ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

東山、運送会社目線でシステムを開発

2024年10月29日 (火)

イベント東山(名古屋市緑区)はトラック運送会社でありながら、検品や作業記録などのシステム開発を手掛ける。同社は22-25日にポートメッセ名古屋(港区)で行われた「第4回名古屋スマート物流EXPO」に出展した。

▲運送会社でありながらシステム開発も手掛ける東山の展示ブース

1946年設立の東山は、売上高72億円、従業員470人、保有トラック数は125台(いずれも2023年時点)を超える。東海エリアを中心に事業展開する運送会社で、同エリアに10か所以上の拠点を構える中堅企業だ。主な事業はトラック運送だが、グループ会社には物流関連のシステム開発や、訪問入浴サービスを提供する会社もある。

今回出展したのは「スマホDE検品」と「AI荷量把握」という2つのソリューション。スマホDE検品は、アプリで倉庫内の入出荷、在庫を管理するというもの。現場に専用のデバイスを導入した場合、操作に慣れるまでに時間がかかり、作業者のストレスになることも多い。その点、使い慣れたスマートフォンなら、同じ作業をより簡単かつ直感的に処理できる。ほかのシステムとの連携やラベル発行、エラー時のロックなど、業務内容に合わせたカスタマイズも可能だ。

一方、AI荷量把握は、トラックに積載された荷物の量をAI(人工知能)が判断するというサービス。トラックの荷台を撮影した動画からAIが積載率を弾き出す。荷量を人が見て報告した場合「半分くらい」「-パレット」など、人によって答えがまちまちなことも多い。正確な数値を得ることが難しいため、現場の混乱のもとになったり、配送効率が低下したりする。これに対して、AI荷量把握は「-%」といった具体的な数字を提供できる。今回は参考出展にとどめたが、いずれは商品化を目指しているという。

東山の強みは、運送会社がシステムを開発しているという点にある。営業部部長の野田裕士氏は「(自社で配送をしているからこそ)スピード感があり、精度の高い開発ができる。他社の悩みごともリアルに感じられるので、現場に寄り添った提案ができる」と話す。

▲ブースにて説明を行う営業部部長の野田裕士氏

東山にはシステム開発部があり、種々のソリューションはもともと自社向けに開発したものだった。それらの精度が高く、社外でも通用すると考えたため、外販を試みたという。「スマートEXPOへの出展はことしで4年目」(野田氏)ということもあり、社外向けのシステムづくりにも慣れてきた感がある。

現在6万社以上あるトラック運送会社が、2030年には3万社にまで半減するとの見方もあり、物流業界はまさに大編成時代を迎えている。そんな激動の時代を乗り越えられるのは、真に独自性のある会社だけではないだろうか。運送会社でありながらシステム開発も手掛ける東山からは、生き残るために必要なユニークさを感じた。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com