財務・人事機械工具の専門商社、トラスコ中山(東京都港区)は10月30日、2024年12月期第3四半期(1-9月)の連結決算を公表した。物流の最適化や合理化を図った結果、増収増益となった。
発表によると、売上高は2163億8300万円で前年同期比10.1%の増。営業利益は142億6800万円で同8.4%増、最終利益は116億200万円で同32.3%増だった。純利益は、大阪本社移転にともない、旧大阪本社ビルの土地、建物を売却したことで特別利益26億6700万円を計上した。
部門別に見ると、主力のファクトリールート(製造業、建設関連業等向け卸売)では、全国に28か所ある物流センターと、全国に29か所ある在庫保有支店で、市場のニーズに即した在庫拡充を進め、受注頻度に合わせて在庫量を適切に管理することで顧客の利便性向上に努めた。また、顧客の工場に、置き薬システムと同様の置き工具「MROストッカー」を設置し、工場内でいつでも商品の調達が可能となるサービスの拡大を図ったほか、サプライチェーン全体の物流コストや手間を大幅に削減できる「ユーザー直送サービス」を強化するなど、環境負荷の軽減につながる営業活動にも積極的に取り組んだ。
これによって、ハンドツールやオフィス住設用品、環境安全用品などの売上高が増加。売上高は1448億4200万円で同8.2%増となった。
eビジネスルート(ネット通販企業等向け販売)では、納期の短縮や精度向上のため、4か所の物流センターに6ライン導入している「高速自動梱包出荷ライン」を活用して「ユーザー直送サービス」を強化した。
これらの取組みによって売上高は496億6300万円と同15.0%増となった。
ホームセンタールート(ホームセンター、プロショップ向け販売)では、ホームセンター各社が電子商取引(EC)事業を強化していることから、約61万アイテムの在庫と物流設備を活用したサービスを積極的に提案。作業用品や環境安全用品などの受注が増え、売上高も196億2900万円と同11.4%増だった。
海外ルート(連結子会社業績、諸外国向け販売)を担うタイとインドネシアの子会社は、現地の市場ニーズに即した在庫を積極投入するなど、在庫を保有するメリットを生かした営業活動を展開。売上高は22億4700万円と同19.4%増と大きく伸びた。
通期の見通しについては、売上高2900億円、営業利益191億1200万円、経常利益193億6400万円、純利益150億3200万円とする予想を据え置いた。
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