ロジスティクス公正取引委員会がオフィス家具大手のイトーキ(東京都中央区)に対し、商品配送を委託した運送事業者への適正対価が未払いとして、独占禁止法違反の疑いで近く、警告の行政指導することが関係者への取材で分かった。荷主と物流事業者間の取引において、優越的地位の濫用を規制する物流特殊指定に基づく警告は15年ぶり。
関係者によると、同社は全国の事業所から発注を受けた机や椅子などオフィス用品の配送や取り付け作業を複数の運送事業者に委託。しかし、年末の繁忙期などで、トラックドライバーの配送時間が契約を超過しても、残業代を充当しなかったもの。トラックの荷台への積み込み作業などの付帯作業を無償で負わせ、それにより別途発生した対価を支払わなかったという。
「公正取引委員会内の取引部が運送事業者への聞き込みなど、入念な実態調査を重ね、今回の件が発覚した可能性がある。荷主の不当な圧力によるただ働きなど、物流界の悪しき商習慣に対し、公取が物流特殊指定と下請法を運用して厳しく是正しようという姿勢が、今回の行政指導につながったと言える」(前出の関係者)
イトーキは警告に該当する事実を認め、不利益を負わせた運送事業社に別途発生した賃金等を全額支払う方針だという。
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