調査・データ帝国データバンク(TDB)は21日、企業の4割がスポットワーク(スキマバイト)の活用に前向きだとする調査結果を公表した。特に小売や運輸・倉庫といった業種で前向きな企業が多かった。
スポットワーカーは空き時間に短時間、単発で働くアルバイト。履歴書や面接が不要で自分の都合に合わせて短時間、単発で気軽に働けるとして、学生など若者の間で人気がある。また、企業側でも必要なときに必要な人員をスピーディーに確保できるとして注目を集めている。スポットワーク仲介サービスのパイオニアと言われるタイミーは今年7月に上場を果たすなど、市場が急拡大している。
こうしたことから、TDBはスポットワークに対する企業の意識を探るため、今月8日から12日まで、インターネットを通じてアンケートを実施。1685社から回答があった。
アンケート結果によると、スポットワーカーについて「既に活用している」が8.3%、「活用を検討している」が5.3%、「検討はしていないが、興味はある」が24.5%で、合計すると「活用に前向き」な企業は38.1%となった。一方、「興味はない」企業は49.8%だった。
業界別でみると、「活用に前向き」な企業の割合は「小売」が50.6%で全体を12.5ポイント、「運輸・倉庫」も46.8%と8.7ポイント回った。
「活用に前向き」な企業では、「新規人材の確保が容易ではないため、活用を検討している」などと人手不足への対応として活用したいとの声や、「働き手の空き時間を利用できるので、社会全体の生産性が上がる」といった意見が聞かれた。
一方で、「内部的な情報漏洩も考えられ、検討段階にとどまっている」「労働者の質が分からないため、望んだ成果を得られないなどの懸念がある」といったリスク管理やミスマッチへの不安の声もあった。
「興味はない」企業では、「作業の正確性やスピードを担保することが難しい」「メーカーでは、安全管理や品質管理の観点から活用は現実的ではない」と品質の低下や作業効率の悪化を懸念する声や「受け入れや教育、業務の分担などコストや労力がかかる」とコストや管理面の問題点を指摘する意見もあった。
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