調査・データ帝国データバンク(TDB)は25日、人手不足による低下が懸念されていた今年の運送業界の輸送力について、昨年に比べ輸送量が増えており、これまでと同水準の輸送力を維持しているとのレポートを公表した。
国土交通省の「自動車輸送統計月報」によると、今年4-7月の貨物営業用自動車の輸送量は8.6億トンで、昨年同期と比較すると0.3トン増加し、過去5年でみても最も高い水準となった。
今年4月から、建設業界や運送業界、医師などに対しても、労働基準法の時間外労働の上限規制が適用されることになった。これらの職種は業務の特殊性からこれまで適用が猶予されてきたが、適用を前に「時間外労働の上限が撤廃されると人手不足が起きる」との声が広がり、「2024年問題」とも言われてきた。国の検討会でも、24年には輸送力が14.2%不足するとの試算が出されたこともある。
しかし、実際は今のところ、輸送力不足が起きていないことが、統計から裏付けられた形となった。同社は企業によるパレット輸送や中継輸送の実施などの配送効率の向上の取り組みと、適正な運賃設定などが進んできた結果だとし、「運送業界は人手不足が深刻な状況の中、企業努力によって徐々に輸送の効率化が進んできている」としている。
しかし、依然として燃料費の高止まりや深刻な人手不足は続いていることから、「企業の取り組みだけでなく、私たちの物流に対する行動変容も安定的な物流機能の確保に必要」だと指摘した。
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