調査・データ東京商工会議は12日、流通・サービス業の発展に向け、人手不足への対応強化や物価上昇に対応できる取引環境の整備などを国に求める要望書を公表した。ドライバーの待遇改善に向けた物流コストの適切な価格転嫁の促進や、物流業界での人材育成支援、政府主導による物流DXの推進などを求めている。
東商の要望書では、流通・サービス業の発展には、業界全体を「コストカット型経済」から「高付加価値創出型経済」に転換する必要があり、それには生産性向上と付加価値向上に向けた取り組みを官民一体で推進することが必要だとしている。
そのうえで、「生産性向上に資する取り組み支援」「競争力強化に向けた人材不足への対応強化」「企業特性に合わせた付加価値向上」「物価上昇に対応できる取引環境の整備」「持続可能な物流の実現に向けた対応」の5点を柱に、具体的な政策を要望した。
「生産性向上に資する取り組み支援」では、既存事業の見直しや新事業展開などに向けた支援、設備投資や標準化・共通化の促進などが必要だとし、専門家による支援などの強化や設備投資を後押しする補助金や税制優遇措置、標準化や共通プラットフォームの構築を求めた。
「競争力強化に向けた人材不足への対応強化」では、採用や人材育成への支援強化や「年収の壁」の解消、外国人材やシニア、障害者らの活躍の促進などを挙げ、必要な人材の確保が急務だと訴えた。
「企業特性に合わせた付加価値向上」ではブランディング研修の実施やマーケティング支援事業の周知や拡充、適正な利益の確保の必要性を訴える政府広報の強化などを求めた。
「物価上昇に対応できる取引環境の整備」では、価格転嫁が十分に進んでおらず、賃上げも厳しい状況にあるとして、価格転嫁を求める事業者に対する専門家への支援や、価格転嫁に対する理解を広めるための政府広報の強化が必要だとした。
「持続可能な物流の実現に向けた対応」では、設備投資への支援のほか、ダブル連結トラックやモーダルシフトを導入しやすい環境整備、適正な取り引き環境を実現するための啓発や指導の強化などを求めた。
また、国によるインフラ整備や、自動化や省人化など物流DXを政府主導で推進していくことの重要性を指摘している。
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