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24年は9371億円、中国向け大幅増

門司税関管内で半導体製造装置の輸出が過去最高に

2025年3月21日 (金)

調査・データ門司税関が19日に発表したところによると、門司税関管内の2024年の「半導体等製造装置」の輸出額が9371億円となり、過去最高を記録した。AI(人工知能)関連の需要拡大などを背景に、輸出額は前年比19.5%増と大幅な伸びを示しており、全国に占める割合は20.8%にも及ぶ。12年からの累計輸出額は5兆7565億円に達している。

全国の半導体等製造装置の輸出額も12年から増加傾向にあり、19年と23年には減少したものの、24年には前年比27.2%増の4兆4962億円と過去最高を記録している。

主役は半導体製造装置

管内における24年の品目別シェアは、半導体製造装置が82.3%と大半を占め、次いでFPD製造装置が7.9%、周辺機器が3.8%、部分品及び附属品が6%となっている。16年までは半導体製造用とFPD製造用がほぼ同額で推移していたが、17年以降は半導体製造用が大きく伸び、直近2年は8割を超える。

輸出先は韓国・中国がけん引、中国は2年連続で過去最高

24年の国別シェアを見ると、第1位が韓国で44.9%、第2位が中国で44.5%と、この2か国で全体の9割を占める。韓国は19年を除き常に首位であり、最大の輸出相手国だ。一方、中国は22年以降3年連続で大きく増加し、23年、24年と過去最高を更新。これは、22年10月以降にアメリカなどが先端半導体製造装置の対中輸出管理を強化した影響で、規制対象外の装置の輸入が増加した可能性がある。ただし、今後については、中国以外の国・地域の投資が増加することもあり、中国向けの輸出比率は、相対的に減少するとみられている。

下関港が輸出をけん引

24年の港別シェアは、第1位が下関港で62.7%、第2位が博多港で21.2%、第3位が門司港で12.3%となっており、この3港でほぼ全てを占める。下関港は海上輸出額で全国1位だ。主要輸出先である韓国、中国への定期フェリーが就航していることが、下関港と博多港のシェアが高い要因と考えられる。

成長続くも輸出規制に注目

半導体は、AIの情報処理機能を担う重要な役割を果たしており、電子機器や各種装置の頭脳部分として不可欠な存在だ。半導体製造装置は、半導体を製造する上で必要不可欠な装置であり、その輸出額の増加は、世界的な半導体需要の高まりを反映しているといえる。

今後の展望について、業界団体SEMI(国際半導体製造装置材料協会)やSEAJ(日本半導体製造装置協会)の予測では、世界的な半導体市場の成長に伴い、半導体製造装置の需要も中期的に高い成長が見込まれている。日本製装置の販売高も増加傾向にあり、背景には中国市場の堅調さやAI関連投資の拡大などがある。ただし、半導体製造装置は輸出規制の対象であり、今後の動向が注目される。技術革新や新たな投資により、中国向け減少の影響をカバーできる可能性もある。

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LOGISTICS TODAY編集部
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