調査・データ調査会社のReport Ocean(レポートオーシャン、東京都中央区)は4日、世界の宇宙軌道上燃料補給市場は2033年まで年平均12.4%成長し、24年の3倍の規模にまで拡大するとのレポートを公表した。
同社によると、同市場は24年に13億1630万ドルに達したと推計され、10年後の33年には3倍近い37億6920万ドルまで成長すると予測されている。
これまで宇宙ロケットや衛星などの燃料は、打ち上げ時に積み込まれたものがすべてだったが、宇宙軌道上で給油できるようになれば、より長期間の宇宙での探査や活動が可能になり、衛星の寿命も延びてコスト削減にもつながる。
こうしたことから、NASAや欧州・ESAなどの政府系宇宙機関のほか、スペースX(アメリカ)やノースロップ・グラマン(同)などの民間企業が軌道上でのサービスや補給技術に多額の投資を行っている。宇宙での補給には燃料の補給技術や新たな燃料の開発が必要で、多額の投資が見込まれるが、特にスペースXなど再使用型ロケット技術ですでにビジネス化に乗り出した企業は、軌道補給の技術開発に注力している。
レポートでは、民間と政府系宇宙機関との連携も今後数年で一般的になり、補給技術を開発するためのインフラとリソースの共有が可能になると予想し、ロボットアームやドッキング機構、AI(人工知能)による自動化などの技術革新が、宇宙空間での給油作業の実現性を高めているとしている。
今後の見通しについては、数年のうちに、より野心的な宇宙計画が生まれ、軌道上補給スペースの新たな商業プレイヤーが出現、国際協力が大幅に増加するなどと予測。「宇宙経済に大きなチャンスをもたらし、その過程で新たなビジネスモデルと収益の流れを解き放つ可能性がある」としている。
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