調査・データ筑波大学、東京大学、交通事故総合分析センターの共同研究チームが、認知機能が低下した高齢運転者でも同乗者がいると交通事故を起こしにくい可能性があることを明らかにした。この研究成果は「Journal of Safety Research」に4月10日付で掲載された。
研究グループは、2014年から2017年に認知機能検査を受けて運転免許を更新した75歳以上の免許保有者のうち、更新後3年間に車両相互事故に遭った16万6000人を分析対象とした。事故時の運転者を第1当事者(過失が重い側)と第2当事者(過失がない側)に分け、同乗者の有無を認知機能検査の結果別に調査した。
分析の結果、認知機能の低下度合いにかかわらず、男女ともに第1当事者より第2当事者の方が同乗者を伴っているケースが多かった。第1当事者における同乗者の割合は男性で15-16%、女性で10-11%だったのに対し、第2当事者では男性が29-33%、女性が26-27%だった。
調整オッズ比は男性で0.36-0.43、女性で0.30-0.32となり、1を下回ることから同乗者がいる方が事故の第1当事者になりにくい可能性が示された。なお、事故の発生に影響し得る年齢や過去の事故経験、事故時の状況などの要因による差は両者間で見られなかった。論文では、この結果は因果関係を示すものではないが、高齢運転者の安全運転に同乗者の存在が重要な役割を果たしている可能性がある、と指摘している。
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