環境・CSR音更町農業協同組合(北海道音更町)は18日、3月に長芋流通で使用する緩衝材を「おが粉」から「ばれいしょでんぷんの副産物を主原料とした緩衝材」へ移行したと発表した。
長年、長芋の緩衝材はおが粉が用いられてきたが、おが粉はバイオマス発電との競合・ウッドショックなどを契機に値上りが続いている。加えて、原木不足などによりおが粉業者の製造撤退もあり、2018年に新たな緩衝材の試験を開始した。その中でJAおとふけ青果管理センター(同)内で製造を行うことで生産者の経費削減、流通・消費段階の経費削減、環境負荷軽減に寄与することを目的とし、発泡緩衝材を製造する設備を取得した。

▲ばれいしょのでんぷん尻を原料とする長芋の新緩衝材(出所:音更町農業協同組合)
「永続的に原料調達が可能」「消費者理解を得られるもの」をテーマとし、北海道・十勝の主産品であるばれいしょでんぷん尻を主原料とした発泡緩衝材が使用されることとなった。「でんぷん尻」は、でんぷん製造工程で発生する副産物のことで、処理方法は可燃ごみとなる。長芋1箱当り発泡緩衝材使用量は0.2キロ弱であり、おが粉との重量対比6%まで軽量化された。形も長く色も薄い灰色に着色する事で、食べ物と見間違いがないよう配慮されている。
おが粉の場合、JRコンテナに最大積載量積んでもスペースが余っている状態だったが、発泡緩衝材の場合、スペースを最大限活用し、1回に運ぶ量が増加するため運賃も圧縮することが可能となった。また1キロ当り9.75円発生していた資材費は5.5円になった。また、発泡緩衝材となる事で年間1400トンのごみが削減され、10キロ当り170円の料金で計算すると年間2300万円強ほどの費用が削減されるという。
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