荷主住友精化は15日、使用済み紙おむつに含まれる吸水性樹脂(SAP)のケミカルリサイクル技術のパイロット設備を姫路工場内に完成させ、稼働を開始したと発表した。使用済み紙おむつから回収したSAPを再び紙おむつ原料として活用する水平リサイクルの実現を目指し、2026年度中の実証完了に取り組む。

▲パイロット設備の内観(出所:住友精化)
国内では高齢化の進展に伴い紙おむつの消費量が増加しており、環境省によると一般廃棄物に占める使用済み紙おむつの割合は2030年度頃に7%に達すると推計されている。現在は多くが焼却処分されているが、焼却処理量の削減や資源循環の促進に向け、素材ごとのリサイクルが進められている。
一方で、紙おむつに使用されるSAPについては、使用済み製品から回収した樹脂を再び紙おむつ用途に利用する水平リサイクルは実現していない。住友精化はこの課題に対応するため、SAPのケミカルリサイクル技術の開発を進めてきた。
同技術では、まず使用済み紙おむつから分離したSAPの架橋構造を化学的に分解し、中間体であるポリアクリル酸へ戻す。次に不純物を除去して精製した後、再び架橋構造を形成することでSAPとして再生する。これまでの実験では、再生SAPの保水性や加圧下での吸水性能が、同社が製造・販売する紙おむつ用SAPと同等であることを確認しているという。
今回稼働したパイロット設備では、再生SAPの品質や安全性評価に加え、工業的な製造プロセスの確立、二酸化炭素排出削減効果の実証を進める。実証事業は環境省の「脱炭素型循環経済システム構築促進事業(うち、プラスチック等資源循環システム構築実証事業)」に採択されている。
また、環境負荷の第三者評価として、早稲田大学理工学術院創造理工学部環境資源工学科の伊坪徳宏研究室がライフサイクルアセスメント(LCA)を実施し、パイロット設備で収集したデータを基に評価を行う予定。
住友精化は2030年度の社会実装を目指しており、パイロット設備による工業的製造法の確立と並行して、資材分離などを担うパートナー企業や地方自治体などとの連携を通じ、使用済み紙おむつのリサイクルシステム構築に取り組む。
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