ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

食品輸出5兆円へ、商流開拓を強化

2026年6月16日 (火)

行政・団体政府は16日、首相官邸で第24回「農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応等に関する関係閣僚会議」を開き、2030年に輸出額5兆円を目指す政府目標の達成に向けた施策の展開方向を確認した。農林水産物・食品の輸出額は足元で2兆円弱にとどまっており、政府は現地系商流への売り込み強化、輸出先国・地域の多角化、輸入規制の撤廃・緩和に向けた協議の加速を柱に、輸出拡大のペースを引き上げる方針だ。

会議では、ゴールデンウイーク中の海外出張を活用し、総理や閣僚、副大臣、政務官が23か国で現地小売の経営者や政府要人らにトップセールスを行った実績を確認した。現地系小売やレストラン、卸売業者への販路を広げるには、現地の商習慣、取引条件、品質基準、規制を把握した上で、日本側の産地や輸出商社と結び付ける体制が必要となる。このため、輸出支援プラットフォームやジェトロ海外事務所に専門人材を配置・育成し、現地発の商流開拓を強化する。

▲会議の様子(出所:首相官邸)

一方、物流面では、現地需要に対応できるロット、品質、価格を安定的に供給できる体制づくりが課題となる。米国の高級スーパーマーケット向け寿司商材の需要に対応する事例では、生産者、輸出商社、輸入商社をマッチングし、米、マグロ、ワサビなどを組み合わせた供給体制を構築する取り組みを示した。窒素充填包装設備の導入や認証取得、高品質な輸出物流ルートの構築、現地プロモーションを一体で進める一方、輸出用米の供給力、資材・輸送費の高騰、現地の冷凍コールドチェーンが課題として挙がっている。

輸出産地の育成では、GFP(農林水産物・食品輸出プロジェクト)や「日本の食輸出1万者支援プログラム」を活用し、意欲ある生産者や食品事業者を掘り起こす。海外需要を継続的に満たすには、輸出対応設備への投資、認証取得、産地間連携、商社や金融機関を含むサプライチェーン構築が欠かせない。農林中金による投融資拡大や、民間資金を活用した輸出向け設備導入も促す。

輸出先の多角化では、米国内陸部や東南アジアのフィリピン、インドネシアなど成長余地の大きい市場を重視する。中東や東南アジアを含むイスラム圏では富裕層の拡大を背景にハラール対応食品の需要が見込まれるが、国ごとに規制が複雑で、表示、認証、製造・物流体制の整備が必要となる。政府は、ハラール対応施設の整備や専門人材による情報提供を進める考えだ。

規制対応では、米国向け牛肉輸出施設認定の規制緩和、豪州向けメロンの輸出解禁、米国向けクチナシ青色素の使用解禁などを成果として示した。中国などによる水産物輸入規制についても、早期撤廃を働きかける。農林水産物・食品輸出は、販路開拓だけでなく、産地の供給力、輸出仕様の加工・包装、温度管理、現地物流網、規制対応を一体で整える段階に入っている。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。