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ゼロ、車両輸送の現場発アプリで作業時間1/3に

2025年4月21日 (月)

サービス・商品車両輸送大手のゼロは21日、業務専用アプリ「moℓa」(モーラ)の活用による現場発DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを発表した。全国3500人のドライバーに導入を進め、作業時間を大幅に削減するなどの成果を上げているという。

「moℓa」は、車両輸送時に発生する40種類以上の紙情報をタブレットやスマートフォンで一元管理できるアプリ。車両のお預かり書など、手書き紙運用による記入ミス、書類検索の手間、保管スペース圧迫といった課題を解決するため、同社事業サポート本部DX戦略室が中心となり開発した。開発にあたっては現場経験豊富なメンバーを集め、各事業所のドライバーや営業担当者など現場の声を重視したという。車両輸送業界では類似システムがほぼない画期的な取り組みだ。

▲タブレットやスマートフォンから、車両の傷の状況など共有・確認できる(出所:ゼロ)

2023年から導入を開始。アプリ活用により、ドライバーおよび事務担当者一人あたりの作業時間は、従来合計50分かかっていたものが15分へと大幅に短縮された。また、車両の状態を写真などで記録できるようになったため、納車時の状況説明もより正確かつスムーズになった。

導入対象はドライバー3500人。当初はアナログ業務に慣れた従業員からの抵抗感もあったが、DX戦略室のメンバーが全国の事業所を訪問してセミナー開催や個別レクチャーを実施。直接の電話対応体制も整えるなど手厚いサポートを展開し、理解と納得を得て活用が広がった。現在、協力会社含む93拠点に導入、モバイル端末配布は4000台を超え、全国導入実施率は90.2%に達している。

同社は今後、「moℓa」の機能をさらに拡張する計画。日報など未デジタル化業務への対応や、AIによる車両傷の自動判定機能導入、バイク輸送業務への応用、中古車を含めた全作業区分への展開などを進め、さらなる工数・コスト削減を目指す。DX戦略室室長は「現場での活用をさらに広げ、車両輸送業務に不可欠なインフラとしての地位を確立し、業界全体のデジタル変革をけん引したい」と意気込みを語った。

▲事業サポート本部DX戦略室のメンバー(出所:ゼロ)

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LOGISTICS TODAY編集部
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