ロジスティクス日本貨物鉄道(JR貨物)は2日、25年2月から3月にかけて計2回開催した「岡山地区(山陽線)における鉄道物流の災害による輸送障害に対するBCP策定に向けた官民一体の検討会」での取りまとめ内容を公表した。検討会では、同地区で災害などが発生し、鉄道での貨物輸送が困難になった場合に展開するトラックや船舶を利用した代行輸送のあり方や、国や地方自治体との連携体制、代行輸送時の貨物駅や港湾施設といった物流インフラの活用方法などを確認した。
同検討会は、中国運輸局とJR貨物が共同事務局として運営。利用運送事業者(通運事業者)である日本通運や、岡山県、岡山市、倉敷市など官民からのメンバーで構成した。
JR貨物は、災害発生時の対応力強化に向けた取り組みとして、代行輸送に備えて船舶499隻を内航船社と共同保有する。平常時は内航船として運用するものの、災害時には内航オペレーターから返船される「災害時引き戻し条件付き定期傭船契約」を締結することで、船舶による代行輸送を立ち上げるまでのリードタイムを短縮する。さらに、山陽線新南陽駅については、トラック代行拠点駅としての機能を強化するため、コンテナホームを拡張するとともに、トラック用駐車場を整備する。
検討会では、災害発生時に鉄道コンテナを積載した代行トラックが円滑に道路を通行できるよう自治体や国が特殊車両通行許可手続きを迅速に処理することや、県道45号線の一部を「高さ指定道路」に指定することなどを確認した。一方、船舶による代行輸送の早期立ち上げのため、水島港玉島地区または岡山港福島・高島地区でのバース確保および港湾荷役作業の協力を要請したほか、港湾インフラの速やかな使用許可付与を求めた。
また、過去の経験を踏まえ、岡山貨物ターミナル駅が単独で代行輸送に対応しきることは困難だと判断。水島臨海鉄道に対し、同社の倉敷貨物ターミナル駅による一部機能の代行を打診した。災害時に全国から集まる代行用トラックの夜間・休日用の駐車場が不足している課題の解決策としては、岡山貨物ターミナル駅付近の公共用地を駐車場の候補地としたい考えで、自治体に遊休用地などに関する情報提供を求めた。
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