調査・データ帝国データバンク(TDB)は12日、2024年度に発生した自動車部品メーカーの倒産は32件で、前年度の24件の1.3倍になったとするレポートを公表した。過去10年で最も多い。コロナ禍以降、自動車生産台数が不安定になったことや、原材料価格の上昇を転嫁しきれない状況が続いたことなどが要因で、小規模業者を中心に倒産が増えた。
同社は負債1000万円以上の法的整理による倒産から、自動車部品メーカーを抽出し、分析を行った。
調査結果によると、倒産件数の増加は3年連続となる。32件のうち6割にあたる20社が負債1億円未満の小規模倒産だった。
新型コロナ禍によって20年の国内自動車生産台数は、工場のロックダウンなどによる半導体の供給不足が深刻化し、19年の968万台から806万台に減少した。その後も半導体だけでなく世界的な物流機能の低下や国内自動車メーカーの型式指定申請における不正問題などで、工場の稼働停止や生産能力の低下を余儀なくされた。
また、車生産台数が伸び悩む中、円安による原材料価格や輸送費などのコストが上昇。販売価格への転嫁も進まず自動車部品メーカーの収益環境は悪化していた。22年以降、販売単価への転嫁が徐々に進んできたが、事業環境の大幅な回復が期待しづらい状況が続いている。さらに米国トランプ政権の関税政策によって、自動車や自動車部品に対し25%の追加関税がかけられ、日本への深刻な影響が懸念されている。
国内自動車メーカー10社のサプライチェーンは24年11月時点で6万8485社あるが、年商10億円未満の小規模企業が76.5%を占めている。同社は「業界全体として当面は厳しい局面が続く」とし、特に「価格決定権の弱い小規模業者の苦戦は続くとみられる」と予測している。
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