ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

東邦HD、再生医療製剤の開発ベンチャーに出資

2025年5月20日 (火)

M&A東邦ホールディングス(東京都世田谷区)は14日、指定難病の表皮水疱症を対象とした再生医療用製剤「ISN001」の開発に取り組むバイオベンチャー、イシンファーマ(東京都中央区)との間で、資本業務提携を結んだと発表した。同製剤は、既に治験段階に入っており、製造販売承認申請に向けた最終段階にある。同社は出資を通じて研究開発を支援するとともに、外観検査や出荷判定、流通でも全面的に協力していく。

イシンファーマは2008年に創業したバイオベンチャーで、遺伝子導入ベクターの世界的権威であり細胞療法や遺伝子治療の分野で成果を上げているカリフォルニア大サンフランシスコ校の笠原典之教授との共同研究で、難病治療剤の開発を進めている。

現在、開発しているISN001は、指定難病の遺伝性慢性皮膚疾患、表皮水疱症の治療を目的としている。表皮水疱症は日常生活の軽微な外力で表皮が剥離するため、全身に水疱、びらん、潰瘍ができる病気で、強い痛みやかゆみがともなう。

ISN001は、健常なボランティアから採取された脂肪組織由来間葉系幹細胞を含むゲル状のシート製剤で、抗炎症作用があるほか、血管の新生、肉芽や表皮の形成を促し、患部を修復、再生する。新たに正常な生体成分を供給するため、幅広い患者への効果が期待できる。

また、ディープフリーザーでの長期保管が可能で、東邦HDの医薬品物流の仕組みで医療機関に届けることができる。

同社は自社の経営資源と、イシンファーマの研究・開発機能やネットワーク、評価機能を組み合わせることで、営業力の強化と企業価値の向上が期待できると判断し、出資を決めた。出資額については公表していない。

同社は「再生医療製剤への知見を深め、安定的な流通体制を確立することで、難治性疾患に苦しむ患者が安心して革新的な治療を受けられるよう尽力していく」としている。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com