ロジスティクスヤマト運輸は22日、業界紙を招いた懇談会を本社ビルで開催し、4月に社長に就任した阿波誠一氏が今後の経営方針や展望を語った。阿波氏は会社の原点回帰を強調。来年1月に宅急便事業50周年を迎えるにあたり、SDだけでなく全社員が顧客に向き合う全員経営を進めると語った。現場主導を重視するため、社長自ら全国の主管支店を訪問し、現場の声を吸い上げる、自身の最近の仕事ぶりを紹介した。課題を共有しながら意識改革を促進する考えを示した。

▲ことし4月にヤマト運輸社長に就任した阿波誠一氏
さらに、重点施策として、宅急便事業、eコマースを含む法人事業、幹線輸送のネットワーク事業の3事業への再定義を提示。顧客サービス向上の観点から、過度な労働時間管理によるサービス低下を反省し、効率性と顧客価値向上の両立を重視すると語った。eコマース拡大による関東圏への物流偏在問題に対しては、モーダルシフトと拠点分散で対応するとした。ネコポスの投函領域縮小については、新商品「こねこ便」を投入し、顧客ニーズに沿った宅急便への誘導を進める。CL事業ではナカノ商会との連携ノウハウや車両・全国ネットワークの活用を強化し、海外事業では越境EC、国際引っ越し、フォワーディングに注力、M&Aによる事業拡大も検討すると語った。
「お客様と話をして要望を聞き、我々がソリューションとして応じられる力がこの数年、弱っていたように思う。本丸の宅急便ビジネスはどうすれば、もう一度、成長領域に持っていけるのか。それを踏まえ、社員のエンゲージメントを含めて、ビジネスを成長させるために、社員の力を引き出し、上げるための仕組みや戦略をしっかり組み立てようと思っている」(阿波氏)
目下の趣味はウォーキング。都内あちこちを歴史散策しながら20キロも走破ならぬ歩破するという、健脚ぶりも披露した。
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