財務・人事日本貨物鉄道(JR貨物)は22日、組織改正を発表した。2024年度から開始した「JR貨物グループ中期経営計画2026」の推進にあたり、より効率的な組織体制を強化し、事業運営の迅速化と円滑化を図る内容とした。今回の改正では、本社組織および支社組織の両面で大幅な再編を行う。各組織改正の実施日は、本社組織が6月18日、支店組織が7月1日となる。
貨物鉄道企画室の機能をさらに強め、「鉄道統括部」へ名称を変更する。これにより、鉄道ロジスティクス本部内で統括機能の一元化を進め、事業方針の決定とその実施までのスピードを高める狙いがある。また、技術面での専属部門として「技術統括部」を鉄道ロジスティクス本部に新設する。新設された技術統括部は「コンテナ部」「車両部」「鉄道設備部」を傘下に持つ。加えて、「自動化・省力化」に向けて経営統括本部の「技術企画部」も同本部に移管し、技術統括部のもとで技術知見と実行力の強化を図る。
営業組織については、「営業統括部」を廃止し、営業部に「総合物流室」「マーケティング戦略室」を新設する。また「環境事業室」「国際営業室」は、それぞれ「環境事業グループ」「国際営業グループ」と名称を変更し、役割明確化を進める。顧客への提案窓口を分かりやすくし、営業体制を強化する。全国支社の再編では、岡山・四国地区の機能を一元化するため、関西支社の「四国支店」機能を「岡山支店」に統合し、新たに「岡山・四国支店」とする。支店間の意思決定の迅速化と地域体制の強化にもつなげる。
組織改正後の新組織図では、同社の経営統括本部や事業開発本部を中心に、鉄道ロジスティクス本部が「鉄道統括部」「技術統括部」などを束ね、安全統括本部、中央研修センター、各支社・支店が明確に役割分担される。大規模な部門再編により、全国の物流現場や本社において業務効率を高める。今回の発表では事業開発部門や現業機関(駅、操車場、信号場、機関区、車両所)も再編に含まれる。
この組織改正の背景には、中期経営計画の2年目を迎えるにあたり、業務効率と顧客対応力の最大化、技術分野の実行力強化、営業戦略の明確化など、将来の総合物流事業展開を見据えた体制づくりがある。同社は今回の改正によって、国内外の顧客ニーズに応えながら競争力を維持し、変化する物流業界の中で成長を図る。
また同社は同日、役員体制の変更案を発表した。6月18日開催予定の第38回定時株主総会において、取締役および監査役の選任・退任案を付議する。新体制は同株主総会終了後の取締役会で正式に決定される予定。
新任取締役候補者として、今橋一樹氏(現事業開発本部開発部長)、高橋秀仁氏(現経営統括本部経営企画部長)、但野新二氏(現九州支社長)の3人が選任される。中川哲朗氏(現取締役兼執行役員安全統括本部長)は退任し、技術統括部長に就任予定。また、新任監査役候補者として森山茂樹氏(現日本政策金融公庫総合研究所上席主任研究員)が選任され、中山峰孝氏が監査役を退任する。
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