
(出所:工業技術研究院)
サービス・商品台湾工業技術研究院(ITRI)は4日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催中の日本最大のドローン展示会「Japan Drone 2025」に出展し、長時間飛行型燃料電池ドローンやAIドローンフリートシステムなど独自開発による革新的なドローンや関連技術を紹介すると発表した。
ITRIは産業技術の開発を進める台湾の財団法人で、台湾の半導体産業を推進したことで知られる。インフラ点検や物流輸送などの高付加価値市場をターゲットに、台湾の技術とサプライチェーンの強みを生かし、日本への本格参入を目指している。また、出展を契機に、台湾と日本の技術・市場資源の融合を図り、国際展開に向けた布石にしたいとしている。
会場のブースでは、ドローンの機体や関連技術など6つの技術成果を紹介しており、ドローンの機体では、水素燃料電池を搭載してリチウム電池に比べて航続時間を大幅に伸ばした「長時間飛行型燃料電池ドローン」と、高い飛行安定性と航続性能を両立した「物流ドローン」を展示した。
「長時間飛行型燃料電池ドローン」は、最大5キロのペイロードで181分の飛行が可能。商用ドローンとしては主流モデルの3倍の性能があり、山岳地帯での捜索救助や長距離点検、緊急医療物資の輸送にも活用できる。「物流ドローン」は、離島や山間部での搬送用に設計されており、すでに日本国内でも採用され、食品配送のデモンストレーションに成功している。
また、スマート航路の自動生成やリアルタイム映像伝送、AIによる魚群識別機能を統合し、複数機による協調飛行を支援する「AIドローンフリートシステム」も展示。遠洋での漁場探索や橋梁の巡回点検、倉庫内の自律巡回などで活用されている。
モジュール技術の分野では、従来の製品より最大推力を10%向上させた「動力モジュール」や二重化された制御システムを備えた「冗長型フライトコントローラー」、小型機体への組み込みが可能な「超小型フライトコントロールボード」を紹介している。
ITRIは「今回の展示は台湾の技術力を世界に示す絶好の機会となるとともに、日台産業界の新たな協力の幕開けとなる」としている。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。LOGISTICS TODAY編集部