調査・データカンダホールディングス(HD)は12日、2025年4月から28年3月を対象期間とする中期経営計画を発表した。「物流機能の強化」と「事業成長・収益力向上」を中計の柱として掲げた。
同社は物流業界が直面する人手不足、24年問題、労働時間規制の厳格化、市場縮小とコスト増加という課題に対し、物流機能の持続可能性と競争力向上を最重要経営テーマにした。自社車両の拡充と協力会社との関係強化による配送能力の向上、徹底した庫内作業の効率化・品質向上、物流DXによる省人化・省力化を進める。
M&Aと協業については、3年間で1-2件の成約を目標に、既存事業の強化と新規サービス創出を図る。物流企業間の連携にとどまらず、異業種とのアライアンスやスタートアップ投資も視野に入れる。持続可能な物流ネットワークの拡大を目指す。
売上高目標は26年3月期に523億円、27年3月期に542億円、28年3月期に565億円と設定。国内事業で26億円、国際事業で19億円の収益増を見込み、グループの物流基盤と収益力を強化する。
国際物流では、空海複合輸送サービスの確立、海外企業との提携やM&Aによる事業拡大、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した高付加価値サービスによる国内企業のグローバル展開支援を推進する。アセット活用では、自社保有車両800台超の稼働率と実車率の向上を目指す。同社は物流施設を現在約30か所を保有する。28年3月期までに新規車両150台(投資額16億円)の導入と、物流センター新設・中古物件取得に60億円を投資する計画だ。さらに、拠点の効率運用に向けて社内賃料の最適化を進める。物流サービスの競争力強化のためDX投資に22億円を投じ、業務効率化を加速する。
また、全国の荷物35%が運べなくなるとの危惧がある物流2030年問題への対応として、30年までに自社施設の取得、拠点の最適配置、配送車両の増強、協力会社ネットワークによる柔軟な配送体制の構築を進める。同社は物流を社会インフラと位置付け、BCP事業、共配・幹線便の拡大、高齢者向けサービスや多様な商品カテゴリーへの参入など、積極的に成長投資に関わる。これにより、ドライバー不足や燃料価格高騰などの長期的課題に対応する。「物流を通じて社会の発展に貢献する」という理念の実現を目指す。
本計画は、物流業界の環境変化と高度化に対応するため、アセット型物流サービスの強化、DX推進、M&A展開、現場運用改革、ESG経営の推進など、包括的な施策を盛り込み、今後の成長と競争力維持の基盤として位置付けている。
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