調査・データニトリホールディングス、ホームロジスティクス(札幌市北区)、XYZ Robotics(東京都千代田区)は25日、ホームロジスティクスが運営する幸手DC(埼玉県幸手市)で、XYZ Roboticsが開発したデバンニングロボット「RockyOne」(ロッキーワン)の実証実験を始めたと発表した。物流業界ではマテリアルハンドリングや倉庫管理の自動化が進む一方、コンテナのバンニングやデバンニング作業は依然として人手作業が中心で、現場の労働環境改善が重要課題となっている。ホームロジスティクスはロボットの実証導入を通じて労働力不足の解消、職場環境の改善、生産性向上を図る。

▲「RockyOne」によるデバニング作業の様子(出所:ニトリホールディングス)
ニトリグループは2024年実績で年間15万5000TEUの輸入コンテナを取り扱っている。輸入コンテナの多くを自社倉庫で保管し、日々、デバンニング作業に従事し、軽量物から家具・雑貨類まで大量の荷物を5-6人のチームで対応している。特に夏場はコンテナ内の温度が著しく上昇するため、従業員の負担が顕著。物流現場のこうした過酷な労働環境は重大な課題として指摘されてきた。
今回の実証実験で導入したRockyOneは、AI(人工知能)カメラによる自動判別機能とモーションプランニング技術を駆使する。ロボット単独でのデバンニング作業を本格的に実現することを想定している。従来5-6人で対応していた荷下ろし作業を、ロボットと積み付け作業員3-4人の体制で実施できるかを検証する。この自動化により人員削減と労災リスクの低減が期待できる。さらに、酷な作業工程へのロボット導入が物流現場の改善につながる。夜間帯の無人稼働が可能となり、在庫補充作業の効率化やバース回転率の向上する。物流オペレーション全体の効率化が進むことになる。

▲幸手DC
ホームロジスティクスとXYZ Roboticsは、本実証で獲得する知見を活用し、今後も最先端技術と現場課題の融合による効率的かつ持続可能な物流体制の構築に注力する。1か月に及ぶ今回の実証で得られた情報をもとに、自動化・効率化のさらなる強化や、物流業界全体の課題解決に取り組むとしている。
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