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伊藤忠、アンモニア燃料供給に向け専用船建造

2025年7月15日 (火)

荷主伊藤忠商事は14日、同社のシンガポールにある100%子会社、Clean Ammonia Bunkering Shipping(CABS)を通じて、佐々木造船(広島県大崎上島町)、泉鋼業(高松市)に、5000立方メートル型アンモニアバンカリング(船舶燃料供給)船の建造を発注したと発表した。世界初の新造アンモニアバンカリング船で2027年9月の完成予定。同年10月以降、シンガポールで実証実験を行う。

▲新造アンモニアバンカリング船イメージ図(出所:伊藤忠商事)

国際海運での脱炭素化に向け、さまざまな代替燃料が検討されているが、なかでもアンモニアへの期待は高く、多くの船会社や造船所や荷主などがアンモニア燃料船の開発を進めている。このため、同社は舶用アンモニア燃料の供給を行うアンモニアバンカリング事業に乗り出している。

今回の建造は、経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業」に採択された「舶用燃料アンモニア供給実証事業」の一環。シンガポールでのアンモニアバンカリング実証の実施に向け、シンガポール海事港湾庁(MPA)や燃料生産者との具体的な協議を、日本政府の支援を受けながら進めていく。

燃料供給船の本体は佐々木造船が手掛け、泉鋼業がアンモニアタンクを製造する。泉鋼業は舶用LPGタンク製造の国内最大手で、政府補助金を活用し、舶用アンモニア燃料タンクの増産を計画している。

今後、伊藤忠は燃料供給船の建造や実証を通じて、洋上での安全なアンモニア燃料の供給オペレーションの確立を進める。その後は、シンガポールでのアンモニアバンカリングの事業化を図り、将来的には日本や、スペインのジブラルタル海峡、エジプトのスエズ運河など世界の主要な海上交通要所での事業展開を目指す。

また、アンモニアバンカリング船やアンモニアタンクの製造分野での日本造船産業の競争力強化に貢献するとしている。

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