拠点・施設物流不動産大手のプロロジスが運営する次世代リーダー育成講座「プロロジスアカデミー」。その卒業生と現役生の交流会が17日、同日に内覧会が行われた都市型物流施設「プロロジスアーバン東京錦糸町1」(東京都江東区)で開催された。荷主や物流会社など多様な企業の参加者9人が集い、「大人の夏休み」をコンセプトにした会場で、世代や企業の垣根を越えて交流を深めた。参加者からは、アカデミーが単なる知識習得の場に留まらず、社外の同世代と課題を共有し、新たな視点を得られる貴重なコミュニティーとなっているとの声が相次いだ。

▲物流施設見学の中で、現場運営の悩みについて話し合うアカデミー生
交流会に参加したアカデミー生からは、「物流の知識だけでなく、ビジネス塾としての側面が強い」との評価が多く聞かれた。ある卒業生は、「アカデミーで学ぶ内容は、日々の現場業務だけでは得られないもの。講師の西尾(浩紀)さんが常々おっしゃる『視座を高めてほしい』というメッセージの通り、単に物流の知識を得るだけでなく、社会人として、また将来のリーダーとしての考え方を学べる貴重な機会だ」と語る。
また、普段は現場業務が中心だという別の参加者は、「アカデミーでプレゼンテーションの機会を得られたのが新鮮だった」と話す。社内では経験できない発表の場を通じて、自身の考えを整理し、他者に伝えるスキルを磨くことができたという。こうした経験は、社内での提案力向上にも直結しているようだ。
アカデミーの最大の価値として多くの参加者が挙げたのが、企業や業種の垣根を越えた「横の繋がり」だ。ある参加者は、「会社の愚痴ではないが、『なぜ物流はこうなってしまうんだ』という業界への課題意識を、利害関係のない社外の仲間と共有できるのがいい」と話す。実際に議論の中では、「パレットがなかなか返却されない」といった、多くの企業が共通して抱える課題も話題に上った。「他社も同じことで悩んでいると知り、安心すると同時に、業界全体で解決すべき問題だと再認識した」という声も聞かれ、アカデミーが課題解決に向けた共感と連携を生む土壌となっている様子がうかがえた。
アカデミーで講師を務めるCAPES(ケープス、東京都目黒区)の西尾浩紀氏は、本誌の取材に対し、アカデミーの設計思想を語った。「いわゆるハードスキルやソフトスキルを教える場はほかにもある。ここで最も重視しているのは、参加者同士の密な繋がりが生まれ、それが持続していくことだ」と強調する。そのために、一方的な座学ではなく、参加者同士のディスカッションを中心としたワークショップ形式を採用。「私が話す時間を減らし、参加者同士が話し合う時間を多く設けることで、横のつながりを深めている。アカデミーが終わった後も、同期でゴルフに行ったり、センター見学を相互に行ったりするような関係が生まれるのが理想だ」と述べた。

▲プロロジスアカデミーの講師を務めるCAPESの西尾浩紀氏
1期あたり10社程度という少人数制を貫き、参加者同士の密度の濃い関係構築を優先するプロロジスアカデミー。単なる研修プログラムを超え、業界の未来を担う次世代リーダーたちの新たなコミュニティーとして、その存在感を増している。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。