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日本郵便100局に軽バン車両停止方針、2000局も順次

2025年9月3日 (水)

ロジスティクス国土交通省は、日本郵便の全国2391局で運転手への点呼が適切に行われていなかった問題を受け、貨物自動車運送事業法に基づき、きょうにも軽バンなどを使用するおよそ100局に対して車両停止などの行政処分案を通知する。今回通知を行う100局については、今後、同社に弁明の機会を与えた上で、正式に処分を決定する方針。残る2000局前後については、監査と処分方針が決まったものから順次処分内容を通知し、弁明を経て処分を決定していく。

同社の点呼不備問題をめぐっては、トラックやワンボックス車(2500台)が対象となる許可制の一般貨物自動車運送事業が、6月25日に5年間の許可取り消し処分を受けた。一連の問題で、集配業務の主力を担う軽バンなど(3万2000台)が対象の貨物軽自動車運送事業で処分を受けるのは今回が初めて。日本郵便の社内調査では、全国2391の郵便局で、法令で定める飲酒の有無などを確認する点呼を適切に実施していなかったことが明らかになっており、国交省はこの2391局を中心に特別監査を実施しているが、対象となるすべての郵便局に対して監査を終えるのには相当の時間を要するとみられる。

今回の処分方針の大半を占めるとみられる「車両の使用停止処分」は、各郵便局(営業所)に対して、停止日数と対象車両数を掛け合わせた「日車」という単位で決定する。多いところで100日車を超える処分が下される可能性があるが、200日車を超える処分には至らないとみられている。仮に150日車の処分の場合は、10台を15日間、あるいは5台を30日間使用停止とするが、処分対象の営業所が所有する車両の5割を超えない範囲で停止車両数を定めるため、少なくとも半数の車両は稼働を続けられる。

国交省は、先行した一般貨物自動車運送事業への特別監査で、日本郵便からの報告通り、点呼の実施義務違反や記録改ざんといった悪質な行為を全国で確認。この状況を受け、同社の安全管理体制を速やかに是正させるため、監査の終結を待たずに軽貨物事業についても6月25日に輸送の安全確保命令を出した。この命令に違反すると最高100万円の罰金が科され、命令後に点呼の不備があれば車両使用停止処分の日車数が加重される。

日本郵便は再発防止策として、全郵便局での点呼記録のデジタル化と、本社に安全管理を統括する部署の新設などを進めているが、法の対象外となる原動機付き自転車(8万3000台)でも、全国3188局のうち6割弱にあたる1834局で不備が判明している。

※LOGISTICS TODAYの公式YouTubeチャンネル「物流報道局」では、日本郵便に対する軽貨物車両の使用停止処分の見通しを受け、速報動画を3日17時30分からライブ配信します。現状の事実関係を整理し、外部委託の行方や今後の監査の見通しについても解説します。

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LOGISTICS TODAY編集部
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