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ブロックチェーンSC市場、33年に325倍規模に

2025年9月4日 (木)

調査・データ市場調査会社のReport Ocean(レポートオーシャン)は3日、ブロックチェーンを用いたサプライチェーン(SC)の世界市場は2024年の42億9000万米ドルから33年までに325倍の1兆3975億米ドル規模にまで拡大するとの予測を公表した。この間の年平均成長率(CAGR)は90.2%を見込んでいる。

ブロックチェーンは、ブロックと呼ばれる単位でデータを管理し、鎖(チェーン)のように連結してデータを保管する技術で、暗号資産を実現するために開発された。データの改ざんが難しいため、食品の産地から製造過程、流通・消費までの記録を追跡できるトレーサビリティーの確保にも使われるなど、物流分野でも導入が進んでいる。

レポートによると、ブロックチェーンを使ったSC市場はIoT統合やAI(人工知能)駆動型分析といった新たな技術によって、成長を続けている。IoTデバイスは製品の移動や環境条件、在庫状況のリアルタイムデータを収集してブロックチェーンネットワークに安全に記録。AIアルゴリズムはブロックチェーンデータを分析し、需要変動の予測や経路最適化、サプライチェーンの潜在的ボトルネックの特定などを行う。こうした技術を組み合わせることで、市場の混乱や消費者期待に臨機応変に対応でき、透明性の高いSCを構築できる。

SCへのブロックチェーン導入は、高い初期投資コストや従来システムとの相互運用、セキュリティー対策といった課題もあるが、一方で、課題を解決する技術や仕組みを開発すれば、市場参入や事業拡大の機会となる。こうした課題解決に向けた企業間の戦略的提携や業界コンソーシアムの結成、規制などの枠組みがブロックチェーンの円滑な導入を促し、市場成長を加速させると見込まれる。

地域別には、アジア太平洋、北米、欧州が市場をけん引している。アジア太平洋地域では、工業化の進展やEC(電子商取引)の急速な普及、デジタルインフラ促進の政府支援政策によって急成長が期待できる。北米では、特に医療や小売業界で、企業が物流最適化と業務レジリエンス強化のためにブロックチェーンを活用している。欧州では環境・社会・ガバナンス(ESG)基準に沿った持続可能で追跡可能なSC構築に注力しており、ブロックチェーン導入が進められている。

同社は「今後、ブロックチェーンSCの導入は大企業から中小企業へ拡大し、33年までに透明性、信頼性、持続可能性を中核とした全く新しいビジネスモデルを実現する」と予測している。

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LOGISTICS TODAY編集部
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