調査・データ市場調査会社のReport Ocean(レポートオーシャン、東京都中央区)は9日、日本の低温物流市場は2024年の166億5000万米ドルから、33年までに703億米ドルへと4.2倍の規模にまで拡大するとの予測を公表した。この間の年平均成長率(CAGR)は12.35%を見込んでいる。食品分野だけでなく、温度に敏感な生物学的製剤やワクチン、遺伝子治療などの医薬品が成長の主要な推進力となる。
日本の低温物流市場は技術革新によって大きく様変わりしており、IoT対応の温度監視やAI(人工知能)主導の予測分析、自動化された保管・検索システムが、従来の保管施設でもリアルタイムの在庫管理を可能にしている。また、ブロックチェーン技術によって、トレーサビリティーが保証され、製品の損失が減り、消費者の信頼も向上している。
大手物流業者や3PLの冷蔵事業者は、需要の増加に対応するため、東京や大阪、名古屋などの大都市圏のハブで、倉庫容量を積極的に増やしているほか、地域物流センターや専門冷蔵輸送ネットワークの整備で、全国へ迅速に配送できる態勢を整備している。
また、医薬品などへの厳格な規制も、低温物流へのニーズが高まる要因となっており、技術やサービスの革新に寄与している。
消費者の意識と購買行動の変化も、市場に影響を与えており、新鮮で高品質な輸入食品を求める声の高まりで、効率的な冷蔵方法や輸送システムへのニーズも高まっている。食事キット配送サービスを含むEC(電子商取引)の売上増は、輸送だけでなく製品の品質を維持するための高度なパッケージングや断熱容器の売り上げ拡大を後押ししている。
同社は「今後、日本からアジア太平洋市場への生鮮食品の輸出の増加が、国内物流事業者の売上に貢献する。日本市場は急速な成長軌道を維持すると見込まれ、33年までにアジア太平洋地域で最も大きな市場の一つとなる」と予測している。
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