国際欧州委員会は5日、ウクライナ鉄道が西部ウジホロドとチョップを結ぶ22キロの新線を開業したと発表した。線路幅は欧州標準軌(1435ミリ)で建設され、同国で初めてEU規格に基づいた鉄道インフラとなる。資金はEUの「コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ」(CEF)による助成金と、ウクライナ・ファシリティの保証を受けた欧州投資銀行(EIB)の融資で賄われた。
従来、ウクライナの鉄道網は旧ソ連圏と同じ広軌(1520ミリ)を採用しており、国境を越える際には台車交換や乗り換えが必要だった。新線の開業により、スロバキア・コシツェ、ハンガリー・ブダペスト、オーストリア・ウィーンなどへの直結ルートが整備され、旅客輸送の利便性向上に加え、貨物列車の運行効率が大幅に改善される見通しだ。総工費は信号・通信システムの更新や駅施設の改修を含め2860万ユーロ(49億6000万円)。
ロシアによる全面侵攻以降、EUとウクライナは「連帯回廊」(ソリダリティ・レーン)構想を推進してきた。黒海港湾の封鎖を受け、農産物や鉱産資源を陸路で輸送する重要性が増すなか、欧州標準軌の整備は物流ボトルネック解消の切り札とされる。
今後はリヴィウ、チェルニウツィー、コーヴェリなど主要都市への延伸が計画されており、数年内には首都キーウまでの標準軌接続が視野に入る。EIBや欧州委員会は引き続き融資や技術支援を行い、ウクライナの復興とEU加盟プロセスを後押しする。
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