メディカル武田薬品工業は16日、フランスのVELA Transportと提携し、世界初となる風力100%推進の貨物用トリマラン(3胴船)を活用して欧州と米国間で医薬品輸送を行うと発表した。製薬企業による同船の利用は初めてで、2026年末の初航海を予定している。
VELAが設計・運航する同船は、冷蔵・温度管理を必要とする医薬品輸送に対応しており、航行中の推進は風力のみで行う。エンジン使用は港湾での操船に限定され、航空輸送と比べて最大99%、従来のコンテナ船と比べても90%の温室効果ガス(GHG)排出削減が見込まれる。さらに、船内に再生可能エネルギーを利用したGDP準拠の冷却システムを搭載し、品質維持を可能にする。
トリマランは水バラストを用いない設計で、外来種拡散リスクを低減する環境配慮型仕様。船体はリサイクル可能なアルミニウムで構築され、部品も再利用を前提に設計されている。VELAは2028年までに5隻体制を構築し、年間4万8000トン規模の輸送を目指す。
武田は40年までのバリューチェーン全体でのGHG排出実質ゼロを目標に掲げており、今回の取り組みもスコープ3削減を意識したもの。VELAは欧州-米国間を15日以内で航行可能とし、迅速かつ持続可能な新たな物流モデルを提示する。
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