調査・データ門司税関は17日、2024年のビール輸出が全国、同税関管内でともに過去最高を記録したと発表した。
24年の全国輸出実績は数量が15万1284キロリットル(前年比9.7%増)、金額が210億4500万円(同17.5%増)と数量・金額ともに4年連続で増加し、いずれも過去最高。門司税関管内でも数量9万9827キロリットル(12.9%増)、金額109億6800万円(21.7%増)と全国と同様に4年連続で増加し、過去最高を記録した。門司税関は12年から24年まで13年連続で全国シェア1位を維持しており、24年のシェアは数量で66%、金額で52.1%を占めた。
24年の全国ビール輸出の国別数量シェアでは、韓国が53.6%でトップ、続いて台湾が18.5%、中国が9.9%となり、上位3か国で8割を超えた。金額ベースでも韓国が40.3%で首位、中国が17.9%、台湾が17.3%と続き、上位3か国で75%を超えた。
韓国は18年から20年まで3年連続で数量・金額ともに減少し、20年には輸出額が5億円まで落ち込んだ。その後は回復に転じたものの、20年から22年の間はシェア1位の座を台湾に譲った。23年には数量が前年比3.8倍、金額が4.3倍と急増し、4年ぶりに国別シェア1位に。24年も好調を維持し、金額は前年比2.3%増で過去最高を更新した。中国は13年から24年まで数量が12年連続で増加し、24年は数量・金額ともに過去最高を記録した。
門司税関管内の24年の国別数量シェアは韓国が60.5%でトップ、次いで台湾20.2%、中国7.8%となり、上位3か国で9割近くを占めた。金額シェアでも韓国が54.1%で1位、次いで台湾が21.4%、中国が13.6%と続き、こちらも上位3か国で9割近くを占めている。
19年までは韓国と台湾の2か国で数量・金額ともに9割以上を占めていたが、その後は輸出先が徐々に多様化した。韓国は17年をピークに20年まで3年連続で減少し、20年から21年には台湾がシェア1位となった。しかし22年以降は韓国が再び首位に戻り、順調に回復している。台湾は19年から24年まで6年連続で増加し、24年は数量・金額ともに過去最高を更新。中国も数量は19年以降6年連続で増加しており金額は23年に一時減少したものの、24年は数量・金額ともに過去最高を記録した。またモンゴルは23年から統計に計上され、24年は数量が前年比4.8倍、金額が4.5倍と急増し、国別シェア第4位となった。25年上半期の実績も既に2024年の年間実績を上回る勢いで好調に推移している。
港別では博多港が数量65.7%、金額51.1%で、いずれも全国トップ。博多港は11年から急速に伸び始め、12年以降は数量、金額ともに13年連続全国第1位となった。24年は数量が9万9400キロリットル(前年比12.5%増)、金額は107億5600万円(同19.4%増)と数量、金額ともに過去最高を記録した。博多港のシェアが高い要因は、ビールの製造工場から近く、主要輸出相手国である韓国、台湾、中国にも近いことからビールの品質や鮮度の保持および輸送費の観点から地理的に優位であるためと見られている。
25年上半期の輸出実績は、全国で数量7万9774キロリットル(21.6%増)、金額114億6500万円(25.7%増)、門司税関では数量5万1742キロリットル(19.8%増)、金額59億6000万円(28.8%増)と24年を上回るペースで推移している。業界では、韓国を中心とした需要回復や、アジアを中心に高品質な日本製ビールへの関心拡大、世界的な日本食ブームやインバウンド増加、プレミアムビールの人気拡大を背景に、今後も好調が続くと見込まれている。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。