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飯野海運が統合報告書、海運業好況受け積極投資

2025年10月1日 (水)

調査・データ海運業と不動産業を手がける飯野海運は9月30日、ステークホルダー向けに同社の経営計画や事業戦略などを説明することしの「統合報告書」を発行したと発表した。2023年度から3年間の中期経営計画「The Adventure to Our Sustainable Future」や長期目標「IINO VISION for 2030」の進ちょく状況を中心に、「独立系グローバル企業」の実現に向けた取り組みを紹介している。

(出所:飯野海運)

報告書によると、24年度の海運業の売上は1288億円で、ケミカルタンカーによる中東積み極東・欧州揚げ航路での石油化学製品輸送量では世界シェアトップクラスとなっている。現在、ケミカルタンカー32隻、中小型ガス船23隻、大型原油タンカー4隻など計88隻を運航している。

一方、不動産業は昨年、米ダラス近郊の木造オフィスビルに投資したのをはじめ、国内9棟、海外3棟の不動産を所有している。

リーマンショック以降の2010年代の海運不況時には、不動産収入が収益を支えていたが、22年以降の海運市況の回復で、22年度には過去最高収益を記録。ここ数年は、収益をもとに積極的な投資を行っている。

中期計画では25年度に経常利益130億から140億円、EBITDAは280億から290億円との目標を立てたが、24年度に経常利益174億円、EBITDA325億円などと、想定を上回るペースで目標を達成している。新たな中期計画の発表は来年5月を予定している。

また、3年間で1000億円の投資を計画しており、これまで85%の実行を決定した。海運業では、国内初となるメタノール二元燃料大型原油タンカーの建造と用船の契約を締結し、外航ガス船では、今年度にエタン二元燃料主機関搭載の大型液化エタン船2隻、来年度にLPG二元燃料主機関搭載Ice Class大型LPG(VLGC)船が完成予定となっている。主力事業のケミカルタンカーでも、燃費性能に優れた新鋭船1隻が完成し、さらに2隻が完成予定となっている。環境問題への取り組みとしては、昨年末に、ばら積み船とVLGCにローターセイル(風力推進補助装置)を搭載した。

不動産業では、米ポートランドでの再開発事業が今月に完成する。今後も継続して国内外の優良不動産への投資を進めていく。

このほか、特集記事として三井物産の伊藤禎朗メタノール・アンモニア事業部長と藤村誠一取締役による「エネルギー輸送の未来」と題した対談や、荒井敦・人事担当役員と髙橋静代・姫野毅両社外取締役による人的資本の強化に関する鼎談なども掲載している。

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LOGISTICS TODAY編集部
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