拠点・施設日立製作所の送配電設備子会社の日立エナジー(スイス)は9月29日、カナダ・ケベック州バレンヌの大型変圧器工場に1億9500万ドル(288億5000万円)を投じ、年間製造能力を3倍に拡張すると発表した。同社が2020年から世界各地で進めている90億ドル(1兆3300億円)を超す投資の一環となる。同社は、クリーンエネルギー製造の拠点としてのカナダの役割を強固なものにすると同時に500人の新規雇用で、地域経済にも貢献するとしている。
世界的な再生可能エネルギーの普及やデータセンターの増設などによって、変圧器の供給が不足しており、世界最大の変圧器メーカーの同社では、生産体制の増強を図っている。

▲拡張後のバレンヌ工場のイメージ図(出所:日立エナジー)
バレンヌ工場は、世界有数の規模のHVDC(高電圧直流送電) 向け変圧器製造拠点で、カナダ規格協会が定める原子力品質保証「CSA4 N299認証」も取得している。これによって、原子力発電システムの拡大や既存インフラの更新、データセンターによる電力需要の急増、再生可能エネルギーの普及などによる変圧器の需要増加に対応する体制を整えている。
また、同工場には同社の変圧器技術プラットフォーム「TrafoStar」が導入されている。TrafoStarは変圧器の設計・製造プロセス・品質管理を世界中の工場で統一する。
今回の投資では、製造フローの大幅な改善を行い、最新鋭の組立ラインや2つの鉄心・巻線の供給ラインが追加される。
同社は「今回の投資で大型変圧器、リアクトル、HVDC 技術に対する需要の急拡大に対応する能力を大幅に強化できる。これらはエネルギー転換の主要な目標を達成するために不可欠だ」としている。
また、カナダ政府も「日立エナジーの工場拡張を支援することで、国内の製造能力を強化するとともに、重要な送配電網技術の供給力を確保し、好待遇の雇用を創出する。カナダ国内に安定した電力を届けるだけでなく、世界に向けてクリーンな電力システム提供していく」と、今回の投資を歓迎している。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。