調査・データ帝国データバンク(TDB)は29日、昨年度の増収増益企業は14万2817社で、分析対象の44万社のうち32.2%にあたるとしたレポートを公表した。売上・利益ともに10%以上増加している企業(伸び率10%以上企業)は9万1026社で、全体の20.5%だった。業種別に、分析対象企業数に対する増収増益企業の割合(出現率)を見ると、「運輸・通信業」が37.4%で最も高かった。
同社は、保有企業データの中から、ことし9月時点で昨年度の決算数値が判明した約44万社を対象に、年売上高、当期純利益ともに1%以上増加した「増収増益企業」(赤字企業除く)を抽出し分析した。
一方、減収減益企業は11万6251社で全体の26.2%だった。
増収増益企業を売上規模別にみると、「1-5億円未満」が最も多く5万4930社だった。次いで「1億円未満」が3万4859社、「10-50億円未満」が2万3779社、「5-10億円未満」が1万8306社の順となった。出現率では「1000億円以上」が48.6%で最も高く、「100-1000億円未満」が43.7%、「50-100億円未満」が39.3%と、売上規模が大きいほど増収増益企業の出現率が高かった。一方で、伸び率10%以上企業の出現率は「1-5億円未満」が最も高い22.6%となった。
業種別では「建設業」が5万8005社と最も多く、伸び率10%以上企業は4万4859社だった。災害復旧工事や半導体工場などの大規模開発、大都市圏での再開発などの好材料が業績を押し上げた。次いで「サービス業」の2万7959社で、伸び率10%以上企業は1万5673社、「卸売業」が1万7955社で、伸び率10%以上企業は9550社だった。
業種内の出現率でみると、「運輸・通信業」が37.4%で最も高く、「建設業」が33.5%で続いた。伸び率10%以上企業の出現率は「建設業」が25.9%と最も高く、次いで「不動産業」などが20.4だった。
都道府県別にみると、増収増益企業全体の出現率は「石川県」が36.9%(1742社)で最も高く、「沖縄県」が35.3%(1700社)、「東京都」が34.5%(2万4535社)と続いた。伸び率10%以上企業では、「石川県」と「沖縄県」が24.9%、「神奈川県」が23.1%だった。
石川県は増収増益企業1742社のうち約半数の848社が建設業で、道路や設備工事など幅広い分野で災害復旧関連事業が増加したことが要因のひとつとして考えられる。また、24年問題でトラック運転手の残業時間規制が強化されるなか、東西の輸送の中継基地としての役割を評価され、物流関連の業界も活性化した。沖縄県はレジャーをはじめとした観光業が好調だったほか、建設業では米軍基地や公共工事のほか、大規模テーマパークや宿泊施設の新設、改装で活況となった。
同社は「公共工事が底堅く、半導体工場の新設や都市部の再開発事業のほか、省エネ投資、データセンターの新設など民間の設備投資が需要を支えた。また、原材料費や人件費が上昇しているなか、宿泊業など価格転嫁やインバウンド需要の取り込みに対応できた業種が業績を伸ばしている」と分析している。
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