調査・データEC(電子商取引)サイト「eBay」(イーベイ)を運営する米イーベイの日本法人、イーベイ・ジャパン(東京都渋谷区)は12日、「2025年第3四半期 越境ECレポート」を公開した。海外の若年層からは日本の中古バッグの品質の高さが注目され、日本のトレーディングカード(トレカ)の人気も高い。米国が、少額貨物の関税を免除する「デミニミスルール」を撤廃したことから、同社では関税込み配送「DDP」を標準化した。
米国ではこれまで、個人が旅行先などから土産品を自宅や友人に送ることなどを想定して、800ドル以下の個人使用の輸入品を免税とするデミニミスルールを設けてきた。しかし、ECの普及で、違法薬物を個人輸入するケースや、デミニミスルールを使って商品を発送する中国系EC事業者が急増したことから、米国政府はルールを撤廃し、すべての貨物に関税を課すことにした。
これに対処するため、同社では米国向け取引でのDDPの必須化を進めた。DDPでは関税や税金を全て売り手が負担するため、買い手側は追加で料金を請求されることがなく、通関手続きもスムーズに進む。一方、少額貨物への関税免除の制度がある米国以外の国での販売を強化する売り手も増えている。日本では米国の制度変更を機に、欧州や豪州、アジア向けの売上が増えている。
レポートでは、日本からeBayを通じて販売された商品の傾向についても分析している。
最も売れているのは、「レディースアパレル・バッグ・ブランド小物」で、次いで、「時計・パーツ、アクセサリー」、「トレーディングカード」の順となっている。SNSで、Z世代の若者が日本の中古バッグを購入、紹介する動画が拡散するなど、真贋鑑定による安心感や日本らしい品質の高さが支持されている。
また、トレーディングカードが前年同期比2.4倍と人気が急上昇している。米国や英国、ドイツ、豪州などで人気が高い。特に来年30周年を迎えるポケモンカードが市場をけん引、ONE PIECEカードも2番目に大きな売上となっている。
円安の影響とデミニミスルール撤廃を前にした駆け込み需要が重なり、日本から海外へのカメラレンズ輸出も急増した。映像クリエイターやブログ制作者の増加も追い風で、ソニーの高級コンパクトカメラや、富士フイルムのミラーレスデジタルカメラ、キヤノンの望遠レンズの人気が高い。
カメラドローンもSNSでの映像制作ブームで売り上げが前年同期の62倍に伸びた。円安と駆け込み需要が重なり、「DJI Mini 5 Pro」や「DJI Mavic 4 Pro」などのハイエンドドローンを日本から手ごろな価格で入手できると人気を博した。また、日本の正規流通モデルは信頼性やサポート面でも高く評価されている。
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