サービス・商品需要予測型自動発注サービス「sinops」(シノプス)の開発、運用などを手がけるシノプス(大阪府豊中市)は3日、広島県のスーパーマーケット藤三(広島県呉市)が全25店舗に、クラウドサービスの「sinops-CLOUD」を導入したと発表した。

(出所:sinops)
sinops-CLOUDは需要予測をしながら自動発注ができるクラウドサービスで、1カテゴリー・1機能・1店舗から、必要な機能だけを低価格で導入できる。在庫情報をリアルタイムで収集する「リアルタイム在庫」や45日先までの客数を予測可能な「客数予測」の機能に、販売実績や天気予報などさまざまなデータを組み合わせ、AI(人工知能)が店舗にあった発注数を算出して自動発注する。また、惣菜の値引き率やタイミングをAI(人工知能)が導き出す「AI値引」などの機能もある。
藤三は、呉市を中心に広島県内に食品スーパー「藤三」とディスカウントスーパー「ビッグハウス」の計25店舗を展開している。ローコスト運営、快適な売り場設計、地元食材を活用した多彩な惣菜を軸に、地域に根ざした店舗運営を続けてきた。
しかし、発注業務に課題があり、日配部門では担当者の経験と勘に頼った手動発注、グロサリー部門では基幹システムによる発注点管理方式での自動発注となっていたため、天候やイベントなど急な需要変動への柔軟な対応が難しかった。その結果、賞味期限の短い日配品やパンのロス率が高くなり、発注作業には1店舗あたり月間100時間近い時間が費やされていた。
こうした課題を解決するため、藤三は需要予測型の自動発注システム導入を検討。sinops-CLOUDは1カテゴリー・1機能・1店舗から導入可能で、初期投資を抑えられるほか、ロス削減や人時改善への高い効果が期待できるとして昨年11月に採用を決めた。一部店舗での実証実験を経て、ことし10月に全店舗での本格稼働が開始された。
今回は日配や惣菜、パン、精肉、冷凍食品、日用雑貨など17カテゴリーが導入対象で、発注業務時間が大幅に削減された、当初の目標は1店舗あたり月間60時間の削減だったが、実際の発注作業は47時間で、品出しなどの関連作業と合わせて、計124時間の削減を達成できた。
また、AIによる精度の高い需要予測に基づいた自動発注で、食品ロスの削減と売上向上の両立も実現した。パンカテゴリーでは売上が3%増加する一方、ロス率は1.3ポイント削減、日配カテゴリーでは売上が1%増加し、ロス率は0.3ポイント下がった。惣菜カテゴリーでも売上が6%増加し、ロス率は1.3ポイント下がっている。
店舗の担当者からは「発注の精度が高く、端末も使いやすい」「発注の根拠も確認でき、納得感がある」といった声が上がっている。
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