環境・CSRプラスチックのリサイクルを中心とした環境事業を展開するesa(イーサ、東京都千代田区)は9日、同社が開発した再生プラスチックペレット「Repla」を原料にしたパレットの製品化に成功したと発表した。従来のプラスチックパレットに比べ、CO2排出量を48%削減できる。今月から1枚6000円(税別、参考価格)で販売する。
同社は、これまでリサイクルが困難だった複合プラスチックのペレット化を実現するなど、焼却や埋め立てに頼らない再資源化技術に取り組んでいる。Replaは、分離が難しく産業廃棄物として焼却されてきた複合プラスチックを回収し、独自のマテリアルリサイクル技術によって再生させたプラスチック樹脂ペレットで、レジ袋や車いすの部材などとして活用されている。
物流の現場で使われるパレットは日本だけでも年間数千万枚が生産され、7割を木製が占める。しかし、木製パレットはトゲや釘によるけがも多く、虫やバクテリアの発生、腐食による破損といった課題がある。一方、軽量で耐久性が高く、衛生的なプラスチック製パレットは、近年利用が拡大しているが、破損時の修理が難しく、原料が石油由来のため、環境負荷や資源価格の変動がネックとなっている。
こうしたことから、同社はReplaを原料としたパレットの製造に取り組むことにした。これまでReplaは主に、端子や微細な部材と一体となったシート製品の開発など、技術的に難易度の高い領域での活用を図ってきた。しかし、シート用途では使用できる廃プラスチック量が限られるため、Replaの大量活用が見込まれるパレットに着目した。
Replaはこれまで産業廃棄物として焼却されていた複合プラスチックを再生しており、パレットの製造に100%使用することで、同等仕様のバージン材のリサイクルPPパレットと比較してCO2排出量を48%削減できる。
また、パレットとしての性能も高く、マイナス40度での試験をクリアし、静荷重4トン、動荷重2トンの荷重試験でも破損や変形がなかった。使用済みのパレットは同社が回収し、再びReplaとして再生するため、資源の循環にも寄与する。
同社は「パレット製品化は、廃プラスチックの大量活用を可能にする大きな進展だ。物流倉庫などで広く使われる資材にすることで、大量の複合プラスチックを再資源化し、CO2排出削減につなげる」としている。
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