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コンテナで雪室を再現、食材を冷蔵・熟成

2025年12月8日 (月)

フードスタートアップ支援などを手がけるSocialups(ソーシャルアップス、新潟市中央区)は5日、雪を活用した非電力保冷技術の実用化を目指すアイスライス(新潟県南魚沼市)に出資したと発表した。アイスライスはコンテナ型の雪室(ゆきむろ)を開発し、雪室の中で貯蔵し熟成させたコメやコーヒーの販売を予定しており、将来的にはコンテナの海外輸出も計画している。

アイスライスは、南魚沼市で200年以上続く米農家「庄治郎商会」の7代目、原澤太一氏と、Socialupsの高瀬章充社長によってことし11月13日に設立された。2人は昨年、南魚沼市のJR六日町駅前にコワーキングスペース「MAKINO-BA」を共同開設するなど、「雪国から新産業をつくる」というビジョンのもとで活動を続けている。

▲薪ストーブショールーム&コワーキングスペース「MAKINO-BA」(出所:Socialups)

コンテナ型雪室は、雪国で生活の支障となる「厄介者」とされがちな雪を「持続可能な地域資源」と捉え直し、活用を進めようと開発された。

雪室は、雪の冷熱を活用した室(貯蔵庫)のことで、雪国では古くから「天然の冷蔵庫」として使われてきた。室の中の温度は0度から5度に保たれ、湿度80%以上の理想的な保存環境となるため、電力を使わずに食材を保存・熟成できる。

同社は、コンテナの中に雪を詰めることで雪室を再現し、場所を選ばす、食材を冷蔵保存できるようにした。

同社はことし春から、雪室を使ったコメやコーヒーの保存や熟成の試験を進めており、コンテナ型雪室で熟成したコメやコーヒーのほか、そのほかの冷温熟成した食材を販売する。今後は、コンテナ型雪室の貸し出し事業や導入支援を手がけ、将来的には海外の日本食レストランや食品事業者向けに、コンテナを輸出することも計画している。

Socialupsは、コンテナ型雪室は電力を使わずに冷蔵保存できるうえ、設置場所を選ばず、災害時やインフラ未整備地域でも活用が可能なことなどから、高い成長性と社会的意義を感じ、出資を決めたとしている。

同社は「出資による資金面での支援に加え、役員派遣を通じた事業開発やネットワーク活用など多角的な側面から、世界中の食品事業者が日本独自の低温熟成プロセスを活用できる未来の実現にむけてバックアップしていく」などとしている。

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