調査・データインドの市場調査会社、ザ・ビジネス・リサーチ・カンパニー(TBRC)は16日、世界の業界別のAI(人工知能)市場規模についてまとめた調査レポートを公表した。物流とサプライチェーン管理(SCM)業界でのAI市場は現在40億ドルで、34年までの成長率は33.7%と予測した。
レポートによると、産業ごとにAI導入の進展度は異なり、市場規模、成長率とも高いのは、小売、銀行、食品飲料の業界で、詐欺の検知や需要予測、パーソナライゼーション、SCMなどの用途を中心に拡大している。
製造や物流、SCM、建設は、自動化とリアルタイム分析のためのAI導入が急速に進み、市場拡大が加速している。エネルギー、自動車・輸送、医療機器分野も、大きな市場を持ち、既存のAI技術の高度化によって安定した成長を続けている。石油ガスと医薬品は市場規模が小さく成長速度も緩やかだが、特定領域でのAIの活用が広がり始めている。
個別の業界別にみると、物流とSCM業界では、在庫最適化やルート効率化、倉庫自動化、需要予測にAIが使われている。AIによって配送速度の向上や資源配分の最適化が進み、サプライチェーンの強靭性が高まっている。
業界別で最も市場規模が大きいのはエネルギー分野で、現在190億ドルの規模がある。34年までの成長率は21.1%で、スマートグリッド管理や需要予測、再生可能エネルギー統合、設備停止時間の削減などにAIが利用されている。
このほか、自動車・輸送業界のAI市場は119億ドルで、成長率は17.5%と見込まれる。主な用途はADAS技術や予知保全、バッテリー管理、ルート最適化で、今後、自動運転技術が進むほど、AIの重要性はさらに高まると予想される。
製造業でもAI導入が急速に進んでおり、市場規模は41億ドル、成長率は41.4%を見込む。予知保全やロボット技術、デジタルツイン、欠陥検知などが導入され、生産効率が向上している。
小売企業も、購買体験の個別化や需要予測、在庫管理、無人レジ運営などにAIを活用している。市場規模は119億ドル、成長率は30.0%と予測している。
同社は「AIは、ほぼすべての主要産業で変革をもたらしており、今後もAIは効率性、革新性、競争力向上を支える中心技術となっていく」としている。
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