国際欧州連合(EU)と南米南部共同市場(メルコスール)は17日、包括的パートナーシップ協定(EMPA)と暫定貿易協定(iTA)に正式に署名した。25年以上にわたる交渉を経て、7億人の消費者を抱える世界最大級の自由貿易圏が誕生する。経済・外交・地政学の各面で関係を強化する枠組みとして位置付けられ、域間の物流やサプライチェーンにも中長期的な影響を及ぼす見通しだ。
EMPAは政治対話、協力、通商・投資を単一の枠組みに統合する包括協定で、気候変動対策やデジタル化、持続可能な開発を柱とする。一方、iTAは通商・投資分野を切り出した暫定協定で、EUの専管事項として加盟国批准を要せず、EMPA発効前から適用される。関税削減や市場アクセス改善により、農業食品、自動車、機械、医薬、化学など幅広い分野で取引条件が緩和される。EU側は年間40億ユーロの関税削減効果を見込む。
物流面では、域間貿易の拡大に伴い、港湾や陸上輸送、越境サービスの需要増が想定される。EUとメルコスールの物品貿易額は2024年に1110億ユーロに達し、過去10年で36%増加した。サービス貿易も420億ユーロ規模に上る。関税撤廃と投資促進は、南米向け輸送量の増加や輸送ルートの再編、原材料調達先の多角化を後押しする可能性がある。
一方で、EUは農産品など敏感分野への影響を考慮し、関税率割当や二国間セーフガード措置を導入。輸入急増による市場混乱が生じた場合、欧州委員会が迅速に輸入制限を発動できる仕組みとする。通商拡大と保護の両立を図りつつ、協定の実装段階で物流・通関実務がどのように変化するかが注目される。
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