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大学生SCM発表、BCPとEC軸にAI活用提案相次ぐ

2026年2月17日 (火)

環境・CSR日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は17日、2025年12月20日に東京都港区の本部で開催した、「大学生によるロジスティクス・SCM研究発表会」のレポートをまとめた。生成AI(人工知能)の浸透が物流領域にも波及するなか、物流を学ぶ学生がBCP(事業継続計画)とEC(電子商取引)をテーマに研究成果を発表し、会場とオンラインの双方で質疑応答が行われた。研究発表会は19年に開始し、年々内容が高度化しているという。

▲BCP対策チーム」によるBCP対策の発表(出所:日本ロジスティクスシステム協会)

今回は東京海洋大、東京都市大、東京理科大、法政大、流通経済大の5大学から計9チームが参加した。発表に先立ち、10月に大学生向け講演会を実施し、野村総合研究所の森川健氏が、災害時のBCP対策として平常時から実施可能な方策、新たなチャネルとしてECを活用するための計画作成──の2テーマを提示。11月のフォローアップミーティングで疑問点を整理した上で、本番の発表に臨んだ。
提案内容は「平時に使える備蓄」をサブスクリプションで届ける法政大のローリングストック支援案や、災害時の分散拠点・ドローン配送準備・専用アプリによる連絡体制を組み合わせた流通経済大のBCP案など、生活者視点と物流設計を接続する発想が目立った。東京理科大は代替生産を実効化するための人材確保に焦点を当て、ギグワークを活用して平時からスキル人材をプールするプラットフォームを提案した。

EC領域では、食品メーカーのEC参入を商品特性や購買データから整理した東京海洋大の分析が、チャネル構造の変化を定量的に捉えた点で特徴的。法政大は航空貨物のビルドアップ作業を題材に、生成AIを活用した荷姿設計プラットフォームを提案し、属人工程の短縮や効率向上を試算した。さらに、体験型サブスクやTikTok(ティックトック)を活用した購買導線、AI肌診断と在庫最適化の連動、給食センターを活用した地域向けECなど、物流とデータ活用を組み合わせた企画が並んだ。

講評した森川氏は、業界の常識にとらわれない柔軟な発想を評価する一方、実装に向けては収益構造やコスト構造の具体化が課題になると指摘した。物流現場では人手不足や災害リスク、販路多様化が同時進行している。学生の提案は未成熟な部分も残るが、平時運用と非常時対応、販売と物流、データと現場をつなぐ視点は、硬直化しがちなSCM議論に新しい論点を持ち込みそうだ。

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