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JPロジ、公共性と事業性を両立し総合物流へ拡大加速

2026年4月8日 (水)
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記事のなかから多くの読者が「もっと知りたい」とした話題を掘り下げる「インサイト」。今回は「JPロジスティクス、東大阪市と災害時協定締結」(1月23日掲載)をピックアップしました。LOGISTICS TODAY編集部では今後も読者参加型の編集体制を強化・拡充してまいります。引き続き、読者の皆さまのご協力をお願いします。(編集部)

ロジスティクスJPロジスティクス(東京都千代田区)は、JPグループで築き上げた「公共性」を基盤に据えつつ、民間企業としての「収益性・事業性」を追求し、総合物流へと事業を拡大させている。同社は日本郵便の100%子会社として、郵便事業の根幹である「ユニバーサルサービス」の精神を継承しながら、「縁の下の力持ち」に留まらない姿勢を示す。

2024年6月に就任した安達章社長は、現場・現物・現実を重視する「三現主義」を実践し、旧来のトップダウン型経営から現場の声を吸い上げるボトムアップ型への変革を推進する。組織の風通しを良くし、現場の知見を直接経営判断に反映する体制こそが、変化の激しい物流業界で生き残るための原動力となる。

▲JPロジスティクスの安達章社長

同社の最大のアドバンテージは、他社には真似できない圧倒的なJPグループの「全国ネットワーク」にある。JPグループの総合物流部門を担う同社は、全国78の特積み拠点を中心に2575台のトラックを運用し、このインフラは有事の際の圧倒的な「初動対応力」として期待され、既に現実のものとなっている。具体的には、東京都品川区や世田谷区などの自治体と連携し、備蓄品の管理や輸送を担うとともに、クラウドシステムを用いたリアルタイムの在庫管理システムを構築するなど、平時から災害発生時まで一貫した物流支援を提供中だ。

特筆すべきは、避難所以外に留まる「在宅避難者」への対応を検討する点だ。災害時には全体の10%に上るとされる在宅避難者に対し、JPグループのラストワンマイルの知見を適用した物資配送スキームの研究を開始した。公共性と配送ノウハウを併せ持つ同社ならではの、きめ細やかな社会貢献の形といえる。
豪トールから継承した事業は、同社に強力な「国際性」という武器をもたらした。世界150か国に広がるネットワークを活用し、フォワーディングから国内配送までワンストップで提供する。この国際的ノウハウは、防衛関連の物流支援において不可欠な役割を果たす。

自衛隊が国外での訓練や諸外国との合同演習等に使用する装備品の輸送や、大型台風等自然災害発生国への緊急援助物品の輸送など、国家レベルの重要案件の物流に貢献すると共に、トールの高度な物流技術が活かされている。また、トールはシンガポールを戦略的拠点の一つと位置づけ、アジア圏での物流機能を強化している。現地でトール傘下のSTロジスティクスが手がける「選挙物流」などの高度な公共物流スキームを国内へ導入するための研究も進んでおり、シンガポール拠点の充実は単なる海外展開以上の戦略的意味を持つ。

総合物流を支える事業は、国内輸送、ロジスティクス、国際輸送の3つを柱とする。ロジスティクス事業では、全国3か所の物流センターと自社拠点を活用し、入荷から保管、流通加工、出荷までを担う。大規模な総合ECサイト向けの物流業務代行事例など、電子商取引に最適化した運営実績も豊富だ。

国内輸送事業では、78の特積み拠点と協力会社のネットワークを駆使し、小ロットの混載便から1車貸切便まで最適な輸送モードを提案する。中ロット貨物のマッチングなど、効率化への追求も抜かりない。国際輸送事業では、トールのグローバルネットワークを生かし、航空、海上、複合輸送、通関までを一貫して引き受ける。海外と国内のコントラクトロジスティクスをシームレスにつなぐ「エンド・ツー・エンド」のソリューションが強みだ。

同社は28年に「JPグループと連携し、日本有数の物流プラットフォーマー」としての地位を確立する青写真を描いている。その柱となるのが、グループ内外のシナジー最大化だ。ロジスティードやトナミホールディングスとの連携を通じ、自社リソースに縛られない柔軟な物流網の構築を画策している。同時に、最新技術の活用による労働環境の改善を急ぐ。茨城県五霞町の北関東物流センターをモデルケースとして自動化・省人化を推進し、現場の負担を軽減する。
JPグループを基盤とし、社会インフラとしての役割を全うしながら総合物流へと規模を拡大していく。安達社長は「現場の負担を軽減し、従業員が誇りを持って“明るく・活き活き”と働きやすい環境を整備する」と語り、2028年の目標達成に向けて現場と一体となった改革を誓った。

▲(左から)武智勝副事業部長、今浦勇紀事業部長、安達章社長、春名敏専門役

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