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【四半期決算】日本郵船3Q、定期船部門大幅に伸長

2011年2月1日 (火)

産業・一般【平成23年3月期第3四半期連結業績】
社名:日本郵船
売上高:14817.5億円(19.8%増)
営業利益:1180.2億円(前期は321.1億円の損失)
経常利益:1101.6億円(前期は410.6億円の損失)
四半期純利益:712.5億円(前期は266.8億円の損失)

 

円高の進行、中国のインフレ引き締め策などを背景に、リーマンショック後の回復に減速傾向が見られる中、コンテナの荷動きは前年同期比でやや落ちたものの前四半期までに修復された運賃水準を概ね維持し、自動車輸送台数も順調に回復を続けた。ドライバルクやタンカー市況の低迷のため、定期船事業と不定期専用船事業を合わせた海運業部門全体の増収は小幅となった。非海運部門では、航空運送事業が取扱量増加や市況回復により好調を維持した。

 

部門別では、定期船事業で夏季ピークシーズン後の荷動きの鈍化に伴い、前四半期比では積高、運賃ともにやや軟化傾向を示したが、前四半期までに実施した運賃修復が浸透したことで、太平洋航路など各航路ともに運賃収入が大幅に上昇した。燃料油価格が前年同期比で上昇した一方で、減速航海の実施など船舶の効率運航に努め、大幅な増収増益を達成した。

 

不定期専用船事業は、自動車船部門で輸送台数が2割増となった。3隻の新造船の投入により船隊品質が向上し、運航費節減にも取り組んだ。ドライバルク部門では、鉄鉱石スポット価格の上昇により中国が輸入量を減らし、国内産を優先的に使用したことから海上荷動き量は伸びず、売上は微増にとどまった。一方、船腹供給は新造船が船腹需要を上回る勢いで大量竣工した結果、需給が緩和し市況はケープサイズを中心に軟化。タンカー部門では、景気回復と冬季石油需要により、原油・石油製品ともに海上荷動きは増加傾向を示したが、船腹量は新造船の竣工とタンカーによる洋上備蓄の減少により、船腹需要以上に増加した。船腹需給のギャップ拡大でタンカー市況が軟化した結果、タンカー部門全体では減収減益となった。

 

物流事業は、NYKロジスティクス部門で事業運営の効率化と費用削減に取り組み、荷動きが好調なアジア地域が業績をけん引。米州・欧州を除く地域で増益となった。郵船ロジスティクスでは、海外での航空貨物輸送需要を取り込みながらも、日本発航空輸出の低調などにより減益となった。物流事業全体としては前年同期実績を上回った。

 

ターミナル関連事業は、コンテナ貨物の荷動きが堅調に推移し、国内外コンテナターミナルの取扱量が増加、増収増益となった。航空運送事業は、日本貨物航空が定期便・臨時便・チャーター便などをほぼ予定通り運航することができ、前年度後半からの運賃市況の回復もあり、運賃水準の適正化も計画通り実施できたため、需要減退後の回復途上にあった前年同期と比べると、大幅に業績が改善した。