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アフリカ向け供給拠点、人口増に対応

カネカ、マレーシアにアクリル繊維拠点を新設

2014年2月7日 (金)

アパレルカネカは7日、アクリル系繊維「カネカロン」の製造設備をカネカマレーシア(パハン州)の敷地内に新設すると発表した。生産能力は年間1万2000トンで、90億円を投資する。稼動時期は2015年10月。

カネカロンは1957年から高砂工業所(兵庫県高砂市)で製造してきたが、海外の生産拠点は初めて。

マレーシアで生産されるカネカロンは、全量アフリカ向けに販売する。主に頭髪用の付け毛に使用されており、黒人女性の間では必需品となっている。

アフリカの中でもサハラ砂漠より南の「サブサハラ」は、2040年に中国、インドを抜いて世界一の人口を抱える地域になるとみられており、人口増に伴う旺盛な需要の増加に対して頭髪用付け毛の原料素材の安定供給を図るとともに、新商品やサービスの提供に努める。

カネカロンは、頭髪装飾分野以外にエコファーを中心としたパイル分野、防護服やインテリア商品など難燃分野にも使用されているが、これらの用途は日本からの供給を拡大していく。

カネカマレーシアはカネカのアジア最大拠点となっており、インフラが整備されているほか、安定した原料調達が可能でシンガポールに隣接していることから、同社は「新規海外立地として最適」と判断。今回の新設により、カネカロンは現状の高砂工業所の年間生産能力6万1000トンと合わせて7万3000トンの生産能力となる。