
(出所:経済産業省)
行政・団体経済産業省は24日、地域の燃料供給網の維持に向けた「新たな地域燃料流通に関する研究会」の中間とりまとめを公表した。石油製品需要の減少や人手不足、後継者難などを背景にサービスステーション(SS)の減少が続くなか、過疎地で重要性の高いSSを重点的に支援する新たな枠組みの整備を進め、自治体を巻き込んだ燃料供給計画の策定や設備投資を後押しする。SSは災害時に重要施設や緊急車両へ燃料を供給する「最後の砦」と位置付けている。
2025年度末の全国のSS数は2万6412か所で、1994年度末の6万421か所から半分以下に減少した。資源エネルギー庁は、市町村内のSSが3か所以内、または最寄りSSまで15キロ以上離れた住民がいる自治体を「SS過疎地」と定義しており、2025年度末時点で615市町村が該当する。
中間とりまとめでは、SS過疎地の自治体の6割が燃料供給に課題を認識する一方、実際に対策を実施しているのは1割にとどまると指摘した。26年度は、最寄りSSまでの距離がおおむね15キロ以上にある全国50か所程度を「地域インフラSS」の候補として選定する。経済産業局や地域の石油組合に設ける相談窓口と連携し、自治体、SS、元売り事業者などによる地域燃料供給計画の策定を支援する。計画に基づく設備投資への支援強化は27年度概算要求に反映する方針だ。
物流面では、SSの減少によりトラックや建設機械、農業機械などの給油拠点が遠距離化すれば、燃料調達に要する時間が増え、地域の輸配送や産業活動の効率低下につながる。資料では軽油について、トラックや建設・農業機械、消防車、除雪車などの燃料として地域産業や公共サービスを支えると整理している。
災害対応では、非常用発電設備を備えた中核SSなどの追加配置を検討するほか、最新技術を使った防災能力強化や地域分散備蓄への支援を進める。平時と災害時の燃料調達を一体的に契約する重要性も示し、公用車や重要施設向け燃料について、石油組合との随意契約を自治体に促す。26年度からは経産省を含む4省庁が東京都石油組合との随意契約を始めた。
このほか、AI(人工知能)給油やコンテナ型給油設備、簡易計量機などを活用した低コスト型SSの導入も検討する。設備更新や事業承継、公設民営化なども含め、地域ごとの燃料供給網を維持する枠組みを強化する考えだ。
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