ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

DIC、スチレンモノマー用タンク増設

2016年7月8日 (金)

荷主DIC(東京都中央区)は8日、食品容器向けやインフラ関連材料向けなどの堅調なPS需要に備えるため、ポリスチレン(PS)を製造する四日市工場(三重県四日市市)に、原料となるスチレンモノマー(SM)を保管するためのタンクを増設すると発表した。新タンクの収容能力は5000キロリットルで、投資額は9億円、9月の完工を目指す。

PSは透明性、発泡性、成形性が優れ、無臭であることから、コンビニエンスストアやスーパーなどで販売されている弁当・惣菜向けの食品容器に多用され、今後も堅調な需要が見込まれている。PSを発泡させ断熱材として使用する発泡PSボードも、住宅建設を含む建設業界向けに伸長し、この用途向けのPS需要も拡大が期待されている。

国内のPSメーカーは、1990年代後半から家電業界が生産拠点を海外に移転したことで需要が減少し、業界再編が進展。供給メーカーは10社から3社に減少し、現在は需給関係がバランスのとれた状態となっている。

一方、SMメーカーは設備の縮小を進める中、老朽設備のトラブルなど、SMの供給がひっ迫する可能性があり、SM調達に系列チャネルを持たない同社は、BCPの観点から今回のタンク増設を決定した。

これにより、同社は安定的なPSの供給体制を整え、2020年にPS事業の売上高を15年比で10%引き上げたい考え。