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トラックと臨時列車でまかないきれず判断

JR貨物、根室線不通対策で船舶輸送追加

2016年9月6日 (火)

ロジスティクス台風10号による大雨の影響で根室線新得-芽室間の複数の橋梁が流失し、帯広・釧路と札幌・苫小牧・関東・関西などを結ぶ区間が不通となっている問題で、日本貨物鉄道(JR貨物)は6日、これまでに公表していた対策だけでは貨物の代替輸送措置がまかないきれないとして、来週にも船舶輸送を開始する考えを明らかにした。

台風10号による大雨や倒木の影響で、当初は新得-芽室間だけでなく函館線新函館北斗-長万部間も不通となっていたが、この区間は9月3日10時10分から運転を再開した。新得-芽室間は現在も復旧の見通しが立っておらず、JR貨物も「JR北海道からの復旧に関する知らせを待っている状態」だという。

JR貨物は新得-芽室間の不通に対する代替輸送手段として、帯広-札幌間と帯広-富良野間でトラック代行輸送を行い、富良野-札幌間に臨時列車を走らせることにしていたが、不通区間では1日あたり5トンコンテナ565個分の輸送力を提供していたのに対し、トラックの代行による代替手段だけでは最大150個分しかまかなえず、トラック輸送を増強しても足りないことが明らかになった。

そこで同社は、釧路港から東京港まで日本通運の定期RORO船を利用する手段と、釧路港から八戸港までチャーター船を仕立て、輸送力を追加で補うことにした。日通の定期RORO船は毎週火・金曜日に運航しており、輸送力は1運航あたり34個、チャーター船は最大80個程度になるという。

また、開始時期が未定となっていた帯広貨物駅-札幌貨物ターミナル駅間のトラック代行輸送は5日に開始。帯広貨物駅-富良野駅間は国道38号線が通行止めとなっているため、開始日が確定しない状態だ。

JR貨物では、「なるべく鉄道とトラックの代行だけで対応したかったが、輸送需要に対応しきれないことが判明し、船舶輸送の準備もメドが立ったため、代替輸送手段を追加することにした」(広報室)と説明している。

■代替輸送のイメージ

代替輸送イメージ