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戦略実行委に物流部会設置し具体策検討

国交省・農水省、農水産品輸出1兆円へマッチングシステム構築

2014年3月27日 (木)

行政・団体国土交通省と農林水産省はこのほど、日本の農林水産物と食品の輸出額を現在(2012年)の4500億円から16年に7000億円、20年に1兆円へ拡大するための物流課題と対応策をまとめた。

両省が共同で取り組む「農林水産物・食品の輸出にかかる物流検討会」を中心に検討したもので、輸出額1兆円に向けた物流課題として、(1)スピードや衝撃の抑制、鮮度保持といった物流の高品質化(2)物流の効率化(3)日本産品の販売強化――の3分野で詳細な課題と対策を整理した。

物流の高品質化に向けた対策としては、輸出入時に国内外市場で必要となる鮮度などの情報や、国内物流の効率化を図るための発生荷量などの情報を整理し、複数事業者間で効率的な組み合わせを促す「マッチングシステム」の検討が可能と判断。

第一段階として、公表ベースの貿易情報や国内の荷量発生情報などで概略的に情報を一般開放して把握できるようにすることで「ビジネスのきっかけづくり」を行い、第二段階では事業者ごとに所有する「出荷時期」などの詳細な情報を任意の事業者間で把握できるようにし、ビジネス化を促す。

今回の検討会では、主に第一段階のイメージを提案。国内物流の広域的なマッチングに向け、都道府県ごとの発生荷量を整理したほか、鮮度を保持した輸出入貨物のマッチングでは鮮度保持を念頭に置いて輸入品目や商品性質などを整理した。第二段階については、ビジネス化に向けた出荷などの情報だけでなく、事業者が海外消費者のニーズを把握した後に国・品目別に情報共有できるような仕組みを検討する。仕組みは掲示板のようなものをイメージしているという。

今回のまとめを受け、2014年度は、輸出関連事業者を広く招集して輸出戦略の実現に向けた課題を議論する戦略実行委員会の下部組織として物流部会を設け、委員会と情報共有を図る。物流部会ではマッチングシステムの構築と利便性、運営のあり方、利用者拡大策、海外販路拡大策――などを検討する。