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沖縄地区税関調べ

国際貨物ハブ稼働後、那覇空港の食品輸出が急増

2014年4月22日 (火)

ロジスティクス国際貨物ハブ稼働後、那覇空港の食品輸出が急増沖縄地区税関は21日、那覇空港の食料品輸出状況をまとめた。同空港で2009年10月に国際貨物ハブ事業が始まって5年が経過し、沖縄県産品などをアジアへ空輸できるようになったが、特に食料品の増加が著しく、13年の食料品輸出は前年比2倍増の4億4700万円に上った。

那覇空港での食料品輸出は、09年から輸出額が毎年増加し、13年は4億4700万円(2倍増)と過去最高を記録。09年に比べると7.7倍に増加した。

13年の輸出総額41億4000万円(11.6%減)に占める食料品のシェアは10.8%で、前年の4.6%から大幅に増加している。

品目別では「魚介類、同調製品」が11年から毎年増加しており、13年は2億5700万円で前年比2.7倍と大きな伸び。なまこの輸出が2億4700万円(2.8倍増)と大部分を占めており、ほかには「うに」「えび」などが輸出されている。

「肉類、同調製品」も08年から毎年増加しており、13年は8200万円で前年比2.1倍の伸び。主要品は牛肉が3800万円で前年比7.5倍と激増しており、豚肉、調製品も好調に増加している。「その他の調製食料品」は、09年から毎年増加しており、13年は5900万円で23.4%増となっており、主にうこんやフコイダンなどの健康食品が輸出されている。

「果実、野菜」は13年は3000万円で前年比66.1%増と増加しており、主に野菜はにがうり、紅いも、きのこなど、海藻類はもずく、果実は桃、いちごなどが輸出されている。

「穀物、同調製品」は、10年から毎年増加しており13年は1200万円で前年比5.6%増。焼菓子や餃子などが輸出されている。「コーヒー・茶・ココア・香辛料類」は400万円で前年比3.7倍増と大幅に増加しており、茶が前年比全増となっている。

「糖類、同調製品・はちみつ」は200万円で前年比32.5%減。黒糖を使用した砂糖菓子などが輸出されている。

相手国は、09年に1位台湾82.8%、2位香港12%、3位韓国4.9%——となっていたが、10年に香港が74.2%とシェアを拡げて1位になり、それ以降は香港が高いシェアで1位を続けている。13年は香港86.5%、台湾6.6%、シンガポール3.5%の順。

香港向けの食料品輸出額は3億8600万円で、前年比2.2倍となっており、主に「魚介類、同調製品」(なまこ、かに)が2億5000万円、「肉類、同調製品」(豚肉、牛肉)が7500万円、「その他の調製食料品」(健康食品)が3400万円輸出され、この3品目で全体の9割以上を占めた。

台湾向けは2900万円で13.9%増。シンガポール向けは1600万円で9.3倍となっている。

業界では、那覇空港からの食料品の輸出が好調な理由として、09年から開始した国際貨物ハブにより、新鮮な食料品を近隣アジアへ輸出することが可能になったことが大きいと見ているという。

アジアで県産品を含む日本食品に対する品質の良さや安全・安心の認知度が高く、富裕層を中心に海産物、肉類、果実など生鮮食品の需要が高い。また、海外の健康ブームによって健康食品の需要も高くなっている。

沖縄への観光客の増加や観光PR活動により、美しい自然の島のイメージが定着しており、県産品のイメージアップにつながっている。同税関では、今後の国際貨物便の路線拡充でアジア各国への市場拡大に力を入れていることから、「今後も順調に伸びていく」と見ている。