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船社・海貨業者とのパートナー連携を検討

日通、輸出入コンテナのマッチング拠点を開設、ラウンドユース促進

2014年5月22日 (木)

ロジスティクス日本通運は22日、物流業界で初めて海上コンテナのラウンドユースを促す拠点として「コンテナマッチングセンター」を今月2日に開設し、ラウンドユースを利用したオペレーションを開始した、と発表した。輸入で使用した空コンテナを港へ返却するのではなく、輸出コンテナとして再使用するためのマッチングを担う拠点として、東京都港区に設立したもの。

通常、輸出入に使用する海上コンテナは、配達終了後に毎回港へ返却し、集荷時に港で引き取りを行わなければならないことから、東京港周辺などで返却や引き取り待ちのトレーラーが慢性的に周辺道路の渋滞を引き起こし、社会問題化している。

空コンテナを回送しているため、輸出入業者にとってはコスト面、運送業者にとってはコストとCO2排出などの環境面で問題があり、効率的な運用方法としてラウンドユースに対する要請が高まっているが、輸出主体、輸入主体の企業では片道分の貨物しかなく、貨物があっても利用する日程が合わないといった課題があり、マッチングに割く労力が負担となって浸透しにくい状況となっていた。

日通が開設したコンテナマッチングセンターでは、顧客の物流形態やニーズを集約し、集荷・配達時間や立地条件などから集配ルートを設計、顧客同士のニーズを組み合わせた最適な輸送方法を提案する。これにより、コンテナの往復利用が可能になり、空コンテナ輸送が減少することでトレーラーの運行数を削減できるため、港湾周辺の渋滞緩和につながるほか、顧客のコスト削減やCO2排出による環境負荷を低減できる。負担となっていた日程調査や手続きは日通が行う。

同社は今後、海貨事業者や船会社とパートナーシップを組むことを検討し、利便性の工場や物流の最適化に向けた取り組みを進める、としている。

■従来の海上コンテナ輸送形態(出所:日本通運)
従来の海上コンテナ輸送形態(出所:日本通運)

■ラウンドユースを組み合わせた輸送形態(出所:日本通運)
ラウンドユースを組み合わせた輸送形態(出所:日本通運)