ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

鉄道システムなど4事業でSCM・物流施策を策定

日立、国際物流など7領域でコスト構造改革

2014年6月12日 (木)

荷主日立製作所は12日、2015年度を最終年度とする中期経営計画の実現に向けた「コスト構造改革」とその柱となる事業戦略の概要を発表した。

同社は2010年度比で15年度に4000億円のコスト削減目標を掲げており、14年度は11年度からの累積で3100億円を削減できる見通しとなっている。

「グローバルな成長を支える組織、業務機能の確立」を取り組みの到達点に掲げ、(1)バリューチェーンのグローバルシフト(2)グローバル調達スキームの確立(3)グローバルロジスティクス改革(4)間接業務のシェアード化――など7領域でプロセス改革における新たな取り組みを打ち出した。

また、今回策定した7つの事業戦略のうち、情報・通信システム、インフラシステム、鉄道システム、オートモーティブシステムの4事業でサプライチェーン、ロジスティクスが大きく関連する施策を定めた。

各事業の中で取り組む具体的なサプライチェーン、ロジスティクス関連施策は次の通り。

■SCM改革プロジェクトを実施|情報・通信システム事業
情報・通信システム事業では、財務基盤を強化する取り組みの一つとして、キャッシュフローを拡大するためにSCM改革プロジェクトを実施し、事業の効率化に注力。併せて「日立スマートトランスフォーメーションプロジェクト」を着実に推進する。

■グローバルサプライチェーン構築へ製造・EPC・サービス拠点設置|インフラシステム事業
インフラシステム事業では、コスト構造改革の一環として、製造・EPC・サービス拠点を設置することでグローバルサプライチェーンを構築。海外調達と集約購買を拡大し、調達エンジニアリングの強化に努める。また、業務の標準化とシェアード化にも取り組む。

■英中に生産拠点拡充しグローバル物流最適化|鉄道システム事業
鉄道システム事業では、英国、中国などで現地生産拠点を拡充するとともに、グローバル物流の最適化やIT・業務システムの集約を実施し、11-15年度の累計効果額として90億円を見込む。併せて、財務基盤の強化に向けてリードタイムの短縮、VMI(ベンダーマネジメントインベントリ)の導入、グローバルSCMの構築といった物流関連施策を推進する。

■グローバル生産・物流改革でコスト構造改善|オートモーティブシステム事業
オートモーティブシステム事業では、グローバル生産改革プロジェクトと物流改革からなる生産・間接材コスト改革を通じてコスト構造を改善。グローバルトータルSCMの強化と海外展開によって棚資回転数を高めつつ、世界標準自動化生産ラインを拡大して立ち上げリードタイムの短縮を図り、投資効率の改善に力を入れる。