サービス・商品日本車両製造(名古屋市熱田区)は今月から、リチウムイオンバッテリーの電力を主な動力源とした新世代電動式重量物搬送車両(キャリヤ)「NeGEM」を発売した。
これまでキャリヤの駆動方式は油圧式が主流で、厳しい稼動条件によって経年変化による老朽化が進むと油圧機器のトラブルや配管からの油漏れが発生し、保守コストが増大する傾向にあった。
同社が発売したNeGEMは、エネルギー密度が高いリチウムイオンバッテリーと、新規開発の永久磁石同期モーターを採用した世界初のキャリヤで、稼働時間が短いケースではプラグイン充電が可能。
製鉄所の長時間走行や一回の走行距離が長いケースでは、走行中でも搭載しているコンパクトなエンジン駆動発電機で充電し、航続距離を長くすることができる。従来の油圧式キャリヤに比べて燃費が30%向上した。
環境面では、排出される二酸化炭素(CO2)や大気汚染物質(PM、NOx)を30%削減し、油漏れの可能性も削減。操作面では、ワンタッチ操作でバッテリーのみの走行に切り替えることができ、屋内やトンネルなどで作業環境が向上する。
また、バッテリーのみで走行する際には、エンジン音や油圧モータの作動音がなくなるため、静粛性が求められる深夜作業や住宅地に近い場所での使用に対応可能。
同社はキャリヤを1971年の1号機以来、各地の製鉄所や造船所、発電所、重量物輸送会社に360台以上納入しており、積載重量は単車は70-700トン、組み合わせ可能なユニットタイプでは最大5000トンの実績もある。